本とつきあう法 (ちくま文庫 な 3-1)
本とつきあう法 (ちくま文庫 な 3-1) / 感想・レビュー
あや
学生時代にはまった作家中野重治の読書遍歴がわかって面白かった。
2019/11/26
hatohebi
著者の読んだ本の紹介の間に、読書経験自体を生き生きとした表現で描いているのがいい。「この学者の仕事が――それをだんだんに追って読んで行くのが、それまでに経験したことのない楽しさだった。何が書いてあったかは一つも覚えていない。楽しかった記憶だけがある。理づめという言葉があり、事づめという言葉はありそうにもないが、一方では事実を追って行く、一方では論理を追って行く、その仕事ぶり、その熱心ないそしみが、文学でも小説でもないだけに読んで行っていっそう楽しい」。
2014/06/06
Hiro
時間を掛け少しずつ読んだ。短文の集まりでしかも馴染みのない本のこと、特に戦前の社会主義運動ゆかりの人々の本のことなどが出てきて、とても一気読みできなかった。室生犀星や漢詩に触れたくだりではちょっと興味をそそられもした。が、そんな親しみのないエッセイ集をともかくも通読できたのは何より著者の、独特の自在な語り口による。前に読んだ、幾つかの小説でも、何とも言えない、特色のある表現、文章の作り方、話の仕方が味わい深かったがここでもそう。誠実で厳しい、それでいてユーモラスでもある著者の人柄が窺えて貴重な読書だった。
2020/10/21
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