雑踏の社会学: 東京ひとり歩き (ちくま文庫 か 3-2)
雑踏の社会学: 東京ひとり歩き (ちくま文庫 か 3-2) / 感想・レビュー
kuukazoo
今から30年前、80年代の東京が時代の先端だったこともあった。今やなつかしいの一言である。川本本はどれも似たりよったりといえばそうなのだが、それでも読めてしまうだけの魅力があるんだなあ。それは、まちを歩くという肉体を介した土地への関わり、文学や映画や音楽などを切り口にしたフィールドワークの楽しさである。自分で地図を作っていくようなまち歩きはわたしも好きだ。東京は今も変わり続けているし、これからも変わっていくのだろうけど、願わくば程よく隙間を残し続ける街であって欲しいと思う。
2015/10/04
go
1984年に発売された本なのでここで書かれている東京の街も大分変わっている。だから、そういう部分では面白くなく飛ばし読みもしてしまったが、不易の酒場のすすめ、という7ページほどの文章が非常に良かった。そこに出会えただけでもこの本を古本で買って良かったと思った
2021/03/13
chanvesa
「東京は未完の町」だと言う。確かにこの本を読んでいて、1970年代だと思っていたが、出版されたのが1984年だと知って、驚いた。このエッセイの中の写真と同じように、エッセイも町の記録・断片を未来に残している役目として存在している。大好きな新宿の街も、このエッセイで書かれている様子は遠い過去の話であり、外国の話のようだ。それは割り切ってしまわなくてはいけないのだろうか。
2011/09/25
ペールエール
まずこの本、読んだ人が非常に少ないのに驚きました。 間違いなくもっと評価されていい、されるべき本だと思います。 各地を飲み歩く筆者がその特徴的な街を”飲み歩く者”としての視点から表現している部分が珍しい気がする。 テレビでたまに見る「知らなかった!○○街の良い店特集!」なんて番組よりも活字で見る方がよっぽど良い気がします。
2015/07/06
コタツ
「私の東京町歩き」が面白かったので続きまして。東京は未完の町であり、世情やインフラの発達とともに読み替えられ、再形成されていくのだという東京論には非常に納得させられます。筆者が愛した町々はどうなっているのかなと。往時を偲びつつ、こんにちの東京と重ねあわせる遊びに出掛けたい。
2014/05/22
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