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鏡の国のアリス (ちくま文庫 き 3-3)

鏡の国のアリス (ちくま文庫 き 3-3)

鏡の国のアリス (ちくま文庫 き 3-3)

作家
ルイス・キャロル
Lewis Carroll
柳瀬尚紀
出版社
筑摩書房
発売日
1988-01-01
ISBN
9784480021946
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鏡の国のアリス (ちくま文庫 き 3-3) / 感想・レビュー

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karatte

再読。稀代の翻訳家・柳瀬尚紀によるちくま文庫版。初読時はまだ柳瀬先生存命中。ジョイスの翻訳もそうだが、自分は別にルイス・キャロルやジョイスが好きなのではなく、柳瀬御大がどう訳しているかを知りたくて読んでいるようなものなので、内容云々よりも言葉の連なり・見栄え・響きに意識が向いてしまう。

2018/06/29

ネムル

柳瀬訳で読んでみた。久々に読んで感じたが、ただひたすらナンセンスに徹した不思議の国ほどにははまらなかった。ただし終盤の白のクイーン、赤のクイーンとのやりとりは大好き。「犬から骨を引くと、残りは?」「なにも残らないわ」「犬の肝が残るじゃろが。犬は落胆するであろう?」。「パンはどういうふうにして作る?」「まず、たんと練り粉を――」「短トネリコはどこで摘む?」「摘んだりはしないわよ。碾くの――」「低野とは、どれくらいの広さかな?」。さすが柳瀬尚紀やで。

2015/03/06

歩月るな

「わたしがひとつの言葉を使うときにはだな」いかにもあざ笑う口調で、ハンプティ・ダンプティはいった。「わしがその言葉に意味させようとするものを意味する――それ以下でも以上でもない」不思議の国ほどには読まれていない妹、絶版になってしまっているのかな。これがまた内容はと言えばすごくオシャレで、舌先で転がして味わっていたくなるような妙趣、遅遅としていながらスピーディ。ナイトとのやりとりも好き。「人生、それは夢にすぎぬのか?」

2016/09/03

roughfractus02

鏡は1つを2つにする。古来占いに用いられたこの異界の入口は人間中心の近代でも個を二分し、繋ぎ、媒介する。物語の主人公は接続詞のようだ。and,or,if,then(これは副詞)が主役なら(プログラミング)、チェスの規則も馴染み深い。盤を移動するアリスはトゥイードルダム<と>トゥイードルディー、セイウチ<と>大工、ライオン<と>ユニコーンを経て目覚める。そしてこの夢が「同じところにとどまるには全力で走らなければならない」と接続詞の気持ちを代弁した赤の女王の夢か?と思う時、彼女の中で接続詞が主張し始めている。

2020/10/16

さくら

これおかしいかな?って考えを止めずに、おかしいまま、考える手綱を手放した感じで心地良かった。 訳でこの言葉遊びはすごい。原文も読めるようになりたい! 不思議の国よりも言葉遊びとかチェスとか、工夫がたくさん。

2014/03/10

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