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あの世からのことづて: 私の遠野物語 (ちくま文庫 ま 8-1)

あの世からのことづて: 私の遠野物語 (ちくま文庫 ま 8-1)

あの世からのことづて: 私の遠野物語 (ちくま文庫 ま 8-1)

作家
松谷みよ子
出版社
筑摩書房
発売日
1988-10-01
ISBN
9784480022677
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あの世からのことづて: 私の遠野物語 (ちくま文庫 ま 8-1) / 感想・レビュー

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ちえ

どれも数十年前、だからほんの少し前の話なんだなあ。作者が親しい人から聞いたり、いろいろなところで聞きためてきた話。今もきっと「知らせ」はあるんだろう、と思わされる。戦地からの便りなど、読んでいると切ない気持ちになる。

2018/10/03

mahiro

再読、著者が聞き集めた主に人が亡くなる時の怪異の話。親しい人に会いに来た死者、火の玉、予知のような夢、三途の川から帰って来た人など怪しく恐ろしいが、それより哀れさ悲しさ肉親の情愛などを感じる。今よりずっと医療も行き届かず、通信も交通も思うようにならなかった私達のほんの少し前の人達にとってこのような怪異は珍しくもない事だったのだろう。この話を語った人も殆どは鬼籍に入っていると思う、死の間際魂が吹雪の故郷に帰って味噌漬けのお茶漬けを食べたお父さんの満足そうな一言が印象に残った。

2020/11/17

テツ

松谷みよ子さんが収集した不思議な話。怪異譚。松谷さんの書かれた『ちいさいモモちゃん』でも死神が出てきて、こども心にちょっと怖かったなあなどと思いつつ読む。戦前戦中くらいにはまだ河童や天狗という存在にリアリティがあり、きっとまだ彼らもこの日本に存在していた。戦争が終わり、高度成長期を経てこの国の隅々まで光りが当たり、そんな胡乱な奴らが生きていられる場所は壊滅してしまった。時代は移り変わっても物語は綴られる。薄まった闇の中にも新たな怪異が生まれる筈。人間が存在する限り形を変えてしぶとく生き延び続ける。

2019/09/03

きのたん

臨死体験の話かなと思って読んだら、虫の知らせみたいな話だった。火の玉はどうして最近出てこないのか。人が消える話はピンとこないけど、その後急に別の土地に居るのは不思議だ。花の名前を付けると弱くなるのか~。歴代猫に全部花の名前を付けてしまった後でそんなこと知ったってさ(ブツブツ)。けどみんな長生きしたし。本当に手ぬぐい12枚で浴衣ができるの!?あの世というより興味深い昔の生活様式でいっぱいだった。

2022/10/23

ちゃちゃ

きっと、明治の世から戦前・戦後間もない頃くらいまで、ここにある話の数々はさして珍しくなかったのかもしれない(中には高度成長期の話もあるが)。家の中には座敷があり、そこここに真闇があった。人は家で生まれ、家で病み、家で死んでいった。医療は未発達で平等ではなく、それ故、神仏が今より近く存在した。と同時に、異世界のもの、それを霊というか、魂というか、或いは魔というかは人それぞれであるが、そういうものも確かに近く存在したのであろう。現代は、それを感じ難くなっているだけである事を痛感させられる一冊。

2017/01/07

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