建築探偵の冒険 東京篇 (ちくま文庫 ふ 7-1)
建築探偵の冒険 東京篇 (ちくま文庫 ふ 7-1) / 感想・レビュー
れみ
建築史家の人々が東京の街を歩き回り発見した建物や街並みを記録する作業にまつわるエピソード。ちょっと変わった建物や歴史のありそうな建物をみてオッ!と思うことはあっても深く考えたことはあまりなかったようなその土地柄や建物がつくられる経緯などがそれぞれにあるということに気づかされた。聖路加国際病院の路加の意味や渋沢栄一さんの人生について知ったり…山下洋輔さんの解説にもあるように新しい世界が自分のなかに開けてくるような感覚があった。
2017/09/23
k5
「どのような建築でも、建物と名のつくものは、案内人なしで一人で、それも歩いて見に行きたい」こういう目の醒めるような素敵な表現があるかと思えば、微妙な感じの軽口が鼻についたりする一冊。まあ「国電」の時代の話だと思えば口調が微妙なのは仕方ないかも知れない。いずれにせよ、建築というものへの興味をかき立て、街に出たくさせてくれる一冊であることは疑いがないです。最終章の渋沢栄一のところが一番好きかな。
2024/08/29
ぶんこ
外出のたびに携行して空き時間に読みました。ちょうど聖路加に行った時を狙って聖路加病院を読みましたが、タワーが出来る前の古い聖路加病院を知っている者としては感慨深い。11月にはトイスラー記念館の一般公開もあるので楽しみです。(往復葉書による抽選)ほかに興味深かったのが看板建築と東京駅、渋沢栄一。ここまで調べるか!というオタク感に感服。建物だけではなく、著者ご本人に興味が湧いてきました。
2019/10/04
saga
『建築探偵術入門』から正しく本書を読む。前著は写真と建築物の説明で紙面が尽きた感があったが、本書はそれらの中から選りすぐりの物件をじっくり味わえた。そして、著者のユーモアあふれる文章に惹き付けられた。東京駅は、3階部分も復元されたが、じっくり見ると3階と2階のレンガの違いが分かって面白い。いま話題の渋沢栄一も、幕末の動乱期から三井、三菱との都市開発を巡る駆け引きまでのエピソードを知ると、俄然興味がわく。東京駅丸の内側の土地が三菱地所で占められた訳を知ることもできた。収穫多し。
2019/09/07
Norico
赤瀬川さんのトマソン芸術に通じる、生活の役には立たないけど、生活を豊かにしてくれるものたち。看板建築なんて、実家もそうだったけど、気にしたことなかったもんなー。もっと大事にみておけばよかった。田園調布を作ったのが渋沢栄一だったとは!色々な驚きに満ちた一冊でした。
2017/04/30
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