柳田國男全集 6 (ちくま文庫 や 6-6)
柳田國男全集 6 (ちくま文庫 や 6-6) / 感想・レビュー
青沼ガラシャ
『妖怪談義』『一つ目小僧その他』などの著作を収録。『妖怪談義』は膨大なエピソードが次から次へと提示されるのが圧巻。『一つ目小僧〜』は一つ目小僧の正体は祭りの生贄となる神主の目印として目を潰したのでは、と推理。「耳無し法一」の起源を巡る考察には膝を打った。また、有名な犬神使いの呪術(縛ったり土に埋めたりした腹を空かせた犬の少し前に餌を置き、空腹の最高潮で首を切り、餌に噛み付いたら呪術が成功)も紹介。全体的に同内容の反復、脱線が気になるが、巻末の解説に要旨がコンパクトに纏まっているので安心。
2023/08/18
のぞみ
面白かった…!要するに柳田氏にとって重要なのは妖怪の実在性や実態よりも、日本人が妖怪をどう見、どう捉え、どう伝えてきたかってことなわけだね
2011/12/26
メーテル/草津仁秋斗
妖怪談義や一つ目小僧その他など、妖怪や憑き物に関する論をまとめた巻。片目の理由は今読んでも斬新過ぎて斬新すぎる。
2015/10/11
Soma Oishi
片目の話などは幼少の頃に目の怪我をしたことを思い出しました。 柳田さんの全集を読みだして考えることがあります。例えばノイローゼから回復するには社会主義の回復によってしかないのではないか等です。社会主義を否定する社会にあってノイローゼに陥る。そこから回復するにはどうすればいいのかを考えるのですが僕には社会主義の回復以外に手はないように思うのです。さらに言えばスキゾフレニアから回復するということはどういうことかとも考えるのです。それはその当人から派生した社会の中でその単独性において社会主義の回復を考えるこ
2014/06/20
のぞみ
妖怪とは何か、それ即ち日本人とは何者か―――。ここに記される数多の口碑伝承、或いは習俗が現在も、そして100年の後も『記録』としてだけでなく人々の生活の中に残っていてほしいと心から願う。だってそれは『我々が袖を捉えて縋りつきたいほど懐かしく思う、亡親の親の親の親の親たちの生活の痕ではないか』(P267)。民俗学とは遠き親達の『思い出話』に憧憬を持って耳を傾ける幼子の思いを抱かせる学問だと思う。
2013/06/24
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