柳田國男全集 13 (ちくま文庫 や 6-13)
柳田國男全集 13 (ちくま文庫 や 6-13) / 感想・レビュー
mahiro
終戦直後に出された本、先祖について、死者の送り方弔い、そして神と祭礼など民族学の調査研究と想いを細かく詳しく記している。日本古来からの信仰を仏教など外来の宗教思想が変化させ融合しいつの間にか元々あったものの様に我々が思い込んでいる事には残念に思っているようだ。この当時に全国の村々や山の中の小さな集落で様々に解釈され細分化されて受け継がれてきた神々への行事や先祖の祭り事など、限界集落も消滅しつつある現在どれほど残されているだろう、一族を子孫に繋げ本家分家のこだわりも現代人はもうそれ程持っていないだろう。
2020/03/07
井上岳一
ここにおさめられている「先祖の話」は、敗戦直後の1946年に出版されたもの。柳田は、戦争で無為に死んでいく若者達、空襲で遺体も見つからずに亡くなっていく人達がどうしたら浮かばれるかを考え、これを書いている。「先祖の魂は山に上って神となり、毎年、里に降りてきて田畑に恵みをもたらす」という先祖神信仰=古来の日本人の死生観を甦らせ、死人の魂は永遠に国土に留まること、古来の日本人は遺体についてはそれほど重視しなかったこと等を明らかにしていく。戦渦に対して、学問に何ができるかを問うた柳田の真摯な姿勢が胸を打つ。
2013/05/07
Soma Oishi
柄谷行人さんの柳田国男の作品を読んでからこの全集を読み始めました。1巻からこの13巻まで読み進めてきて直観したことがあります。それはイマヌエル・カントと柳田国男についてです。 10年以上前にネットで柄谷さんの対談を読んだことがあります。たしか坂部恵さんと柄谷さんの対談でした。そこにはカントの「視霊者の夢」について書かれていました。興味を覚え図書館のカント全集を取り寄せコピーしました。今も手元にそのコピーがあります。その時、その作品の前に掲載されていた作品が「1765年-66年 冬学期講義計画公告」でし
2014/09/29
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