柳田國男全集 15 (ちくま文庫 や 6-15)
柳田國男全集 15 (ちくま文庫 や 6-15) / 感想・レビュー
Soma Oishi
柳田国男さんとイマヌエル・カント「1765-66冬学期講義計画公告」について 柳田国男さんの姿勢にカントさんの言う悟性的人間をみたと思いました。もっと単純にいうとそれは帰納法という自分で熟慮して推断する方法のことだろうと思いました。柳田国男さんの姿勢はカントさんのいう帰納法である。僕は演繹法と帰納法について漸く理解ができました。柳田国男全集を読みその手法に帰納法のお手本を見たからです。そして柄谷行人さんが数学についてゲーデルの不完全性定理による演繹法の自律的証明の不可能性を指摘した意味をやっと明確に知
2014/10/21
はるぴょん(ひらた)
「石神問答」「大白神考」が本書の二大白眉。前者はミシャグジ信仰を中心に道祖神、荒神などの民間的彩色の強い信仰を扱っていて興味深い。内容もさることながら調査の手法などにも柳田民俗学の萌芽が見られる。後者は東北のオシラサマがテーマ。白山信仰を少し齧った身としては好奇心をそそられる内容だった。人形の形をしたオシラサマを巫女が遊ばせる形式以前は、人型でない木の棒のようなオシラサマあるいはそれを家の女性が扱う時代があったのではないかという指摘が個人的には新鮮だった。其のほか、塚に関する論文類も面白かった。
2019/11/19
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