ヒロシマ私の恋人 (ちくま文庫 て 3-1)
ヒロシマ私の恋人 (ちくま文庫 て 3-1) / 感想・レビュー
ぞしま
「筋書き」「前書き」「附録」という構成になっている。デュラス自身「基本的な材料」の「報告」(A・レネへの)と著書内で書いているように、本書は純粋な読み物としては少し難がある気がする(結局はスクリーンへ目線が戻されるような書き方や、単なるつまらない同語反復など)。それでもなお、この作品の素晴らしさは映画の素晴らしさと直結しており(当然かもしれないが)、附録の「ヌヴェール」には新しい発見もあり、とてもよかった。 (特に)断章的ともいえる「筋書き」では訳者の詩情と呼応したような表現にワクワクする。
2020/08/08
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