お伽草子 (ちくま文庫 ふ 10-1)
お伽草子 (ちくま文庫 ふ 10-1) / 感想・レビュー
テツ
日本人なら聞いたことがある物語の数々。仏教的な価値観で構築された説話の数々だけれどそれに反感を抱かないのは幼い頃から知らず知らずのうちに馴染まされてきたからか。こうして語り継がれる物語って薄っぺらな道徳観や法律なんかよりもずっと強くその文化を共有する個人個人の中に入り込んでいるよな。もしかしたら説話って社会的な規範を培うためにはかなり優れたシステムなのかもしれない。
2017/11/01
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
[日本の古典を読む第11回]のイベントより♪「御伽草子」を意味するというより、後世に少しずつ変わった「お伽草子」ととらえた方がよい。おとぎ話って伝承が多いと思ってたけど時代背景がよく反映されている。仏教的な話は苦手でハッピーエンドになった『鉢かづき』が一番好き。
2017/11/30
だいふく
『古本食堂』でオススメされてたように、まずは谷崎潤一郎訳「三人法師」から読み、その後は最初から。 それって許されちゃうの?と現代の常識とはかけ離れたところに驚くこと多々。そんな違いを楽しんだ。時々はさまれる和歌もよかった。子供の頃から大好きだった「鉢かつぎ」が載っていたのも嬉しかった。
2023/07/30
moonanddai
「古本食堂」さんのお薦め。叡山の園城寺焼き討ちの原因は、稚児の取り合いにあったというのが」おかしい。ご存じ「浦島太郎」が戻ってきた来たのは700年後の世界とのこと。類似の伝承は古くからあるようですが、仮に時代を鎌倉とすると、それから700年はちょうど今頃…?そこは「人っ子一人いない荒れ果てた野原」になっていたとは、ありえない話ではない…。それにしても、地方に長者と呼ばれる金持ち多かったり、都の治安もすこぶる悪いし、何かというと出家したりする…、そんな中世の世界が垣間見れたようで楽しい。
2022/09/21
Kira
『御伽草子』からの現代語訳十三篇を収録。『御伽草子』は民間伝承のおとぎ話を集めたものだとばかり思っていたが、仏教色の強い説話集だったのかと目からうろこの思いで読み終えた。あの「浦島太郎」でさえ、玉手箱を開けて老人になった後、鶴と変じて浦島明神となる。そうして亀(乙姫)と共に奉られて夫婦明神となる、功徳の物 語だったとは。「酒呑童子」でも、源頼光や渡辺綱が神仏に助けられて酒呑童子を退治する。化け物退治に神々が手を貸すのは、ギリシャ神話にもあるなと思いながら説話の世界を楽しんだ。
2021/07/05
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