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大江戸観光 (ちくま文庫 す 2-6)

大江戸観光 (ちくま文庫 す 2-6)

大江戸観光 (ちくま文庫 す 2-6)

作家
杉浦日向子
出版社
筑摩書房
発売日
1994-12-05
ISBN
9784480029294
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大江戸観光 (ちくま文庫 す 2-6) / 感想・レビュー

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kinkin

「一日江戸人」や「お江戸でござる」を読んだことがある。江戸の市井、人々の暮らしや風俗、文化などがイラストとともに書かれていて楽しめた。この本は彼女が1980年代に書いた江戸に関するエッセイ集だが彼女自身の考えが多く書かれていた。当時のテレビ時代劇への言及、春画に対する考え方、江戸の珍奇など。特にスーパーマンの珍奇というエッセイには二十一世紀は抑制と思慮の時代・・・優しい世紀の到来にしたいですねと結ばれていたが、彼女が存命ならきっと嘆いていることだろうと思った。

2016/01/08

小梅

色々な雑誌などに書かれたエッセイを纏めたものであるが、文章のリズムが同じ感じなので、まるで続けて書かれた作品のように感じます。春画や屁の話し、人気女形や美形の戦国男子のくだりでは、いずれも若くして亡くなってる・・・胸にこみ上げるものがありました。特に、あとがきで「そして今、てにして下さっている方へ、おくればせながらこんにちは、ありがとうございます、お会いできてうれしいです。皆さん、どうか元気で長生きしてください。同時代を生きる巡り合わせに感謝します。」私こそ感謝します、ありがとう。

2014/05/02

かっぱ

「呑々草子」がまさに酩酊状態で書かれたようなエッセイならば、こちらはしらふ状態で書かれた江戸に関するエッセイ集。「結局、私達は、江戸から比べると、百倍・千倍も薄まった時間を生きているように感じます。十六日間かけて、一生に一回大坂見物に行った江戸人と、三時間で千回行った現代人の二人に、紀行文を書いてもらえば、その違いは分かります」(本文より)。江戸の歌舞伎はいまでいうスプラッターホラームービーのようなゲテモノ扱いだった(アングラ劇)。怪談においては、百物語の正しい作法も紹介。九十九話で終えるのが「安全策」。

2017/01/29

織町

“結局、私達は江戸から比べると、百倍・千倍も薄まった時間を生きているような気がします。本当に人間らしい生き方というのは、生物機能に見合った生活規模内にあるものなのでしょう。”ゆるりとした語り口でお江戸の世界へと誘ってくれる杉浦さん。江戸珍奇の章の美形列伝、福助、妖獣、刺青など面白く、特に男色~ポルノの章はふむぅ!と驚きました。三万年前から継承された日本人の大らかさは基督的道徳によって不道徳なものとなってしまったこと、便利さが正しさに繋がっている訳ではないこと。今を見つめる眼差しなんかも感じた一冊でした。

2016/01/24

ぶんぶん

【再読】いろんな雑誌に書かれたものを集めた物。 ほんのとば口を紹介する本。 江戸の様々な事が判る本。 そして、著者の考え方が理解できる本。 杉浦日向子、こんなに柔軟な心を持ってたんだ。 15年後の事を書いているが2005年亡くなるなんて思ってもいなかったんだろうな。 日向子のガイドで回る大江戸観光、ひと味もふた味も違います、明るく優雅に行きましょう。 出発です!

2021/04/09

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