とんでもねえ野郎 (ちくま文庫 す 2-7)
ジャンル
とんでもねえ野郎 (ちくま文庫 す 2-7) / 感想・レビュー
優希
ゆるい幕末もの。主人公の彦次郎のダメっぷりが凄いです。借金踏み倒し、無銭飲食、遊郭に入り浸りといった具合のとんでもない奴なのに何故か憎めませんでした。時代に無関係の放蕩癖が味に見えるからかもしれませんね。面白かったです。
2018/04/18
ムッネニーク
98冊目『とんでもねえ野郎』(杉浦日向子 著、1995年7月、筑摩書房) 幕末期の蒟蒻島(中央区新川)を舞台に、グータラで遊び人な”とんでもねえ野郎”、桃園彦次郎が繰り広げるお江戸コメディ。 上質な日本酒のようにスルスルと体の内に入ってくる、片意地の張らないお気楽なマンガ。しかし、リアリティのある時代考証と繊細な人情の機微の描かれ方は流石。名人・杉浦日向子の技が冴える、ユーモアとインテリジェンスに満ちた名作。杉浦日向子×久住昌之(『孤独のグルメ』他)の対談も収録。 〈旦那様! 鰯雲が あんなに……〉
2024/07/22
けやき
【再読】杉浦さんの中でも特に好きな漫画。幕末に遊び歩いている道場主のお話。奥さんの若菜さんや幼なじみの大恩寺といった脇役のキャラも好き。
2022/04/27
ぶんぶん
【古本屋】杉浦日向子の傑作漫画。 「眞武館」の主・桃園彦次郎はブラブラしてて頼りの無い男、その彦次郎を通じて幕末の大らかさを笑う。 日向子は「何も考えないで描いた」と笑う、そういった無手勝流が心地良いのだと思う。 彦次郎の怠惰な日常が、意外と江戸の庶民の暮らし方だと思う。 また一つ、杉浦流の生き方を学んだように思う。
2024/01/23
ryohjin
巻末の杉浦日向子さんと久住昌之さんの対談が、子供の頃の食べ物の話などで盛り上がっています。対談の中で久住さんがこの作品について、「面白いのでは杉浦さんの本の中でも一番」と言っているように、読んでいる間中、ずっと楽しめました。とんでもねえ野郎のとんでもねえ日常が描かれていますが、どこか憎めない主人公のキャラクターと杉浦さんの時代考証のたしかさが、この作品を安心の面白さにしているのかなと思います。江戸のゆるい雰囲気に浸っていられて、心が解きほぐされるような、よい時間を過ごさせてもらいました。
2024/07/12
感想・レビューをもっと見る