東京酒場漂流記 (ちくま文庫 な 17-2)
東京酒場漂流記 (ちくま文庫 な 17-2) / 感想・レビュー
kinupon
酒とフォークと自転車と・・・、おっと、カメラも趣味ななぎらさんです。下町を飲み歩いているなぎらさんを見ましたよ。幸せそうでした。
2015/06/29
ホークス
著者とは年齢も育った土地も違うのに、何故か無性に懐かしく感じた。おちゃらけているのかと思ったら、もっと大人で詩人な感じだった。酒場やママさんを観察する描写が、恥ずかしそうで独特の優しさがあって、時には胸に迫って涙を誘う。挿絵も楽しくて切なく、文章にあっていて、カウンターで一人飲む著者の背中が目に浮かぶ。元が1983年の本で随分古いけど、今も変わらない酒場の魅力を再認識できる一冊。
2016/11/07
saga
なぎらさん好みの酒場エッセイ。なぎら氏一人またはイラストレータの栗山さんとの探訪記であったり、著者の独白調であったりとバリエーションに富む文体。「もんじゃ焼きとは、これなんじゃ」が一番好きだ。台風で仕入れに行けなかった「末廣」のおばあちゃんとの会話が哀愁を帯びている。著者の歌『下町(まち)』が脳内で流れ出した。
2018/10/20
緋莢
朝は二日酔いの頭を抱えて、「当分は酒を止めよう」と誓うも、陽が落ちる頃には誘惑に負けて、また飲み屋でクダを巻く。そんな呑兵衛が、東京の酒場を漂流(地域に偏り有)。冗談のつもりが、本当に牛のシャレコウベを入手する事になってしまったり、ゲテモノ屋やもんじゃ焼き屋も訪れる。「酒場のガイドブック」ではなく「心の傾いた」を書いた本。
2016/07/12
剛腕伝説
私はなぎら健壱が大好きだ。あの独特の江戸弁と、貧乏臭さ、胡散臭さが堪らない。江戸弁と言っても、エセ江戸っ子が粋がって使う無粋な如何にも的な、言葉ではなく、葛飾区あたりの地元民が使いそうな朴訥とした江戸弁である。そのなぎら健壱が、思い出の居酒屋を紹介している。中には私の行ったことのある居酒屋もあり、何とも微笑ましい。時代の流れには勝てず、閉店してしまった店や、経営者が、亡くなられた店もある。居酒屋紹介と言うよりは、なぎら健壱自身の青春の思い出の1頁といった趣。大変面白かった。
2021/01/09
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