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私説東京放浪記 (ちくま文庫 こ 4-15)

私説東京放浪記 (ちくま文庫 こ 4-15)

私説東京放浪記 (ちくま文庫 こ 4-15)

作家
小林信彦
出版社
筑摩書房
発売日
1995-12-01
ISBN
9784480030993
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私説東京放浪記 (ちくま文庫 こ 4-15) / 感想・レビュー

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猫丸

東京は地域ごとにまったく違う趣きを見せる。大きな区分の中に細かい異物が象嵌され、複雑性をさらに増している。同じ南部東京といっても恵比寿と蒲田は別世界だし、北部東京の王子と赤羽には微妙な空気の違いがある。そのへんが都市の面白さなんだろうとおもう。僕が上京して最初に住んだのが渋谷区富ヶ谷。地図で確認すると、安倍晋三自宅から100m圏内、月額40000円の超レトロ下宿である。それから葛飾柴又とか墨田区両国とか、わりあい意外性のある場所に住んだ。だいたい東京の東部北部が好きですね(足立区を除く笑) 。

2023/05/31

ヨーイチ

登録漏れ本であったが、今回再読。小林信彦の東京物。ファンにとっては、取り立てて新しいことはない。と云うか、執筆から20年位経ってしまうと別な趣がある。大雑把に言うと、二十世紀の東京と言っていいだろう。執筆されている時代の最後の方で小生も都民では無くなったので、一層懐かしさが募る。荷風から小林、と云う流れは有ると思うのだが、その先は、坪内とか泉?さてどう書くのか。

2014/06/03

むん

関東大震災、空襲、オリンピック、そしてバブルの地上げが、東京の街並みを変えたことが理解出来た。特に敗戦時の旦那衆と奉公人の関係の崩壊が、山の手と下町の区別を無くし、奉公人の意識の変革が浅草を衰退させたという考察は、今まで疑問だったことが解決されてスッキリした。70年代後半から80年代初めの高校、大学時代を僕は東中野で過ごした。風営法施行前でコンビニが無い時代。ゲーセンが24時間開いている新宿が好きだった。当書は、新宿は文化も匂いもなくなったという。同感。なんとか再生してくれたらと思って、暇な時は新宿を歩く

2014/05/28

ぱーぷる・ばんぶー

原宿、渋谷、新宿などの繁華街の町の成り立ちや変化についてのエッセイ。横浜とディズニーランドも追加してる。絶対に行くことはないと思っていたディズニーランドに編集者に連れていかれて、はまってしまう小林信彦がさすが。

2017/05/26

unterwelt

掲載誌の違いからか著者も書いている通り『私説東京繁盛記』よりも文章が柔らかい。原宿の弱さを「映画館・劇場のないこと」と指摘するところや、銀座(と浅草)の地盤沈下の理由を「使用人と奉公人の身分差の消失」とするところは面白かった。

2016/08/11

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