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泉鏡花集成 10 (ちくま文庫 い 34-10)

泉鏡花集成 10 (ちくま文庫 い 34-10)

泉鏡花集成 10 (ちくま文庫 い 34-10)

作家
泉鏡花
種村季弘
出版社
筑摩書房
発売日
1996-07-01
ISBN
9784480031808
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泉鏡花集成 10 (ちくま文庫 い 34-10) / 感想・レビュー

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クリイロエビチャ

何故だかわからないが、毎回意味が取れなかった『山海評判記』を今回は特に苦も無く読み終えることができた。取り留めのない話だったけれど、面白かった。昭和初期に書かれたので少しハイカラ風味が楽しい、レエスとか駅弁とか自動車とか。それなのに悪戯めいた怪異が起きたり白神の女神のお使いが見え隠れしたり、現実の中にふっと紛れる怪しいものが、なんというか草迷宮で悪左衛門が言っていたように、「人間の瞬く間」を住処としている感じがした。異界が別にあってそこから迷い出てくるのではなく。この世に一緒に存在はしてるのね。

2016/02/09

クリイロエビチャ

芽が出ない男と才能あふれる女流作家の対決構造をした話が鏡花には多い。で、女流作家は男に惚れているのがセオリー。鏡花の萌え設定?「山海評判記」は、鏡花作史上、最も情けない男が主人公。馬喰たちに身を投げ出せと、姪に懇願する話。叔父を追って、若い娘が独り汽車で追いかける。なのにこの仕打ち。「決して身を汚されたとは思わないから、嵐に遭ったとでも思って彼らを満足させてやってくれ」と。あまりに情けなくはないか。それに対して当の李枝は、「そんなことするくらいなら死ぬ、叔父さんの手にかかりたい」と懇願する、潔い娘だ。

2012/07/12

クリイロエビチャ

山海評判記はもう一度読まないと筋が読み取れない。後の李枝危機の場面、男の役に立たないこと。

2009/10/23

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