トマソン大図鑑 空の巻 (ちくま文庫 あ 10-11)
トマソン大図鑑 空の巻 (ちくま文庫 あ 10-11) / 感想・レビュー
Nekono
廃墟が好きだ。それも、街中にふと現れる廃屋や廃ビル、団地。そうした廃墟は賑やかに人や車の行き交う片隅に立ち現れて微かに不穏の雰囲気をまとっている。トマソンもまた廃墟だ。不要とされた物達のかけらが、異物として立ち現れる。美術館に飾られた便器のように、それを見つける眼差しが美術なのだろう。トマソンを楽しむということは、トマソンを通して、今までとは違う風景を見つける、いわば異化していく目を持つことだろう。そして、それを笑い飛ばすだけの強靭さを持つことだろう。
2015/01/11
ふろんた2.0
トマソン物件総集編第2弾。高所等。
2017/04/30
猫丸
再読。第2巻。行政の杓子定規もまたトマソンを生み出すとは、つくづく人間とは因果な生き物ですね。ここに収められた物件のほとんどが生産性の波に洗われて消滅したと思われる。今後新しいタイプのトマソンは作られるのだろうか? 無意識を無意識のまま放置する余裕がないと、この手の物件は出現しにくいとは思う。一方で、人間の過剰な部分は意想外なところで噴出せぬとは限らぬとも思う。
2018/08/29
bluemint
トマソン大図鑑の2冊目。ユニークな分類方法により過不足ない分量で、次々に見せてくれる。今ではこれらの物件もほとんどは消えてしまったのではないか?近所でも新しい家ばかりになっている。家やモノに対し壊れたら直してとことん使っていこうという気持ちが薄れている。
2018/02/15
あさかわ
フフッと笑ってしまったページに付箋をつけていたら、特定のタイプに偏った。「ウヤマ」と「境界」が好み。今はもう無いんだろうなあっていう感じがまた、イイ。
2010/07/14
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