百日紅 (上) (ちくま文庫 す 2-8)
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百日紅 (上) (ちくま文庫 す 2-8) / 感想・レビュー
hiro
朝井まかてさんの『眩(くらら)』を読み、葛飾北斎の娘の絵師、応為のことを知り、続けて映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』を観た。そして、映画の原作を読みたくて、この本にたどり着いた。連載が始まったのが30年も前の作品だが、もちろん江戸時代の話しなので、この作品自身にはまったく古さを感じることはなく、浮世絵のようで女性の裸、怪談話も含めて、杉浦さんが江戸風俗の研究家らしく、町人文化が花開いた文化の時代の江戸の生活をいきいきと描いている。もちろん、下巻へ進む。
2016/06/12
優希
ちくま文庫で再読です。葛飾北斎、娘・お栄、弟子・英泉らを軸に描かれる江戸の暮らし。風俗や浮世絵と共に描かれる日常がそのまま浮き上がってくる雰囲気が好きです。味のある世界観に引き込まれました。下巻も読みます。
2018/05/07
ムッネニーク
106冊目『百日紅(上)』(杉浦日向子 著、1996年12月、筑摩書房)浮世絵師・葛飾北斎とその娘・お栄を中心に紡ぎ出される大江戸草子。83年11月〜86年1月に発表された15作を収録。 恋物語、人情噺、怪奇譚、笑い話と、一話毎に作品のカラーがコロコロと変わる。それでいてどのジャンルの作品も一級品の面白さ。つくづく杉浦日向子の天才性には唸らされる。 曲者爺の北斎、蓮っ葉なお栄、女たらしの居候・善次郎、快男児・歌川国直など、キャラクターの魅力も素晴らしい。 〈ナアニ 立田川の 紅葉で ございます〉
2024/08/09
neimu
映画館に行く暇がなかったので、せめて原作をと思って、電車用読書なれど、行列の待ち時間に役に立った。ほぼ作者と同世代の人間で「お江戸でござる」も好きだった私としては、余りにも早く逝きすぎた彼女の作品を読むのは少々辛いものがある。没後10年、最近の江戸・浮世絵・北斎ブームに乗って、何度も注目されるのは良い供養なのかどうかは別として、今読んでもいいなあ。というよりも、今この年齢になったから色々読み込むことが出来ていいなあと素直に思える今日この頃。人を惜しむ以前に、いまだ生活に追われている余裕の無さが恥ずかしい。
2015/06/13
ann
「女はね、赤いものをつけると 柔しくなるものだよ」寂しいけど、侘しいけど。一生懸命生きてみようと思える。読んだ後は。百日紅が好きだと言っていたヒトの面影が薄れていく。それは嘘ではなかったと思いたい。
2017/01/04
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