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優しい去勢のために (ちくま文庫 ま 19-1)

優しい去勢のために (ちくま文庫 ま 19-1)

優しい去勢のために (ちくま文庫 ま 19-1)

作家
松浦理英子
出版社
筑摩書房
発売日
1997-12-01
ISBN
9784480033352
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優しい去勢のために (ちくま文庫 ま 19-1) / 感想・レビュー

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王子

力強く理知的、そして爽やかなエッセイ集。表題となっている第4章の一編がやはり素晴らしい。著者の文体はときに詩的、ときに論理的、ときにユーモラスでありながら、その考え方が明確に伝わってくる。ちなみに、松浦理英子はフーコーに多かれ少なかれ影響を受けているのではないか、ということが気にかかっていたが、最後の方で少しだけ言及されていたのが嬉しかった(「われわれは懸命にゲイになろうと努めるべきだ」という発言を引いて)。

2017/08/16

Ex libris 毒餃子

性的なことへの必要な言及が新鮮でした。30年前だったら、相当、radicalな言説だったんだろうなあ。

2021/08/04

ムチコ

性愛に関する文章はいかにも若く、今ならこうは書かないだろうし著者の言い分も異なるのではないかと思うが、80年代後半は社会全体がこういう感じで、その先頭を行くひとりだったんだろう。著者の偏愛する女子プロレスとジャン・ジュネについての文は気持ちがこもっていて読むほうの心も明るくなるような描写でとてもいい。

2020/04/20

k

母性神話や男根中心主義を批判する著者の主張に大方同意する一方で、フェミニズムやジェンダーといった学問分野の生々しさ・難しさをまざまざと感じるエッセイであった。昨今のSNSでの動向をみるに、この分野は私たちとあまりに距離感が近いからこそ、議論する際に冷静さを失いやすい。どのようなスタンスでこれらの事柄に向き合っていくかを、男女問わず各々が慎重に考えなければならない分野であると感じた。未熟者の私には早すぎたかも…。今はただもっと勉強を重ねないと…という気持ちです。

2018/08/24

かす実

タイトルにもなっている「優しい去勢のために」は著者本人の体感がわりとストレートに現れているように思えて、若さかもしれないと思った。過剰なまでの愛の先にある非性器的なセックス。出てきた文学作品などは今後ちょっとずつ追っていきたい。音楽評は語彙の豊かさも音楽への接し方も素晴らしいので、もっとたくさん読ませてほしい。今の世界を松浦さんがどう見ているのかが知りたくて、エッセイの形でまとまった文章が出ないかなあ、と思うのだけど絶対に書いてくれないだろうな。「恋愛は一種の変態性愛」という考え方、とても腑に落ちて愉快。

2022/07/16

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