光る風 上 (ちくま文庫 や 23-1)
光る風 上 (ちくま文庫 や 23-1) / 感想・レビュー
傘緑
「何十年かののちに生きる若者がいまのぼくたちにたいしてもいだくのだろうか?このあわれみにもにた…」一読後、笑いが止まらなかった。パゾリーニの『豚小屋』や『プラトーン』を観たときの笑いに似る。腹の底からこみ上げてくる爆発的な笑い、その震えと共に私の山上たつひこ観も揺れている。彼の描く笑いへの根本的な見直しが必要だ。後に続く『喜劇新思想体系』『がきデカ』は路線変更なのだろうか?私はむしろ深化した形なのだと捉える。「笑ったことのない笑い…事物の底の底が口を開け、裸形にされ、私はまるで死人のよう(内的体験)」
2016/10/30
レゾレゾ
序盤から強烈な幕開け!奇病を持つ人らの反乱!軍事介入する日本!主人公も脇役もそれぞれとドラマがある!先走るエネルギーが一気に加速する!
2014/12/19
kenichiro
XXXXX年が、2013年や2014年でもおかしくはない。改憲の風が吹く中、今この作品はもう一度読まれるべきだと思う。俺達の世代は失敗しちゃいけないんだ。繰り返しちゃいけないんだ。
2013/04/19
新井徹
山上たつひこが団塊世代であり、この作品が1970年に「少年マガジン」に連載されていたということを踏まえて読むと興味深い。1970年は前年に学生運動が一気に収束し、若者の多くは無力感、虚脱感に苛まれていた。一方、先鋭化した連赤のリンチ、浅間山荘事件は71〜72年。そんな狭間の年にこの作品は描かれ、反体制運動も結局は権力側と同じ構造を持ち、組織の問題に回収されてしまうことを鋭く指摘している。ハンセン病をモチーフとしたと思われる奇病に対する差別問題も描く骨太なストーリー構成で、下巻が楽しみ。
2011/08/16
純粋印象批評宣言
漫画作品としては面白い部類のものだった。
2011/04/15
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