戦中派天才老人・山田風太郎 (ちくま文庫 せ 5-3)
戦中派天才老人・山田風太郎 (ちくま文庫 せ 5-3) / 感想・レビュー
ヨーイチ
読む本が1656(生まれた年ね)以前発表の物が、段々増えて来ている様な気がしている。老化とも言えるが、ネットとかAmazonで作家、古書が素人でも捜し易くなったからってのも有ると思う。似た感じで50代以降にハマった作家も何人かいて「世の中は未知の楽しみに溢れている」って希望も捨て切れていない。小生にとって山田風太郎と獅子文六はその双璧で見つけたら調べる、買うの状態が続いている。良し悪しは別にして小説よりもエッセイ、雑記が面白い作家もいるが風太郎は圧倒的に小説家と言える。続く
2020/03/08
旗本多忙
生~死までの間を過ごすわれわれ人間は、いろいろな場面で生や死ついて考える場合がある。山田風太郎のエッセイの中には多くの生き死にを独特の視点で見つめ思う事を書いている。これがまた人が考えるであろうという、的を得た警句や箴言をもって書かれている。本書は関川夏央が、戦中派でありながら不戦であった山田風太郎と長きに渡り対談したものを纏めたものだ。平成や令和を生きる若者には老人作家の勝手話にとれるかもしれないが、昭和で生まれた者には頷くことしきり。他本ではあるが「山田風太郎育児日記」は是非とも目を通したいな。
2024/02/08
Ryoichi Ito
あのとき(山田風太郎が五歳の時)お父さんが死なずに元気でいたら,ぼくは中学校で不良にならなかっただろう。したがって割合いい成績で中学を卒業し,もちろん教練の修了証ももらい,すんなりと高等学校へ入っただろう。とすれば軍需工場で働くこともなく,便所の向かい側の劣悪な三畳間にも住まず,栄養不良と過労から肋膜にもかからなかっただろう。すると兵隊にとられても即日帰郷にはならず,まず間違いなく,中学の多くの同級生と同じように腺しか戦病死していただろう。そして,今ここにこうして君と話すこともなかっただろう。
2021/10/11
さっと
本書をメルカリで購入するという古本屋通いからネット通販検索へニューノーマル・新しい生活様式も板についてきた年の瀬。「山田風太郎は戦中派であり、物語の天才的作者であり、1990年代の老人である」。たしかに。月一の訪問(雑談)からインタビュー形式でまとめられた構成がお見事。天才老人の気ままな発言を著作にあたって裏付けする、という芸当もすごい。個人的には推理小説作家としてデビューした関係から江戸川乱歩にけっこうなボリュームが割かれていて興味深かった。若禿げコンプレックスという新説にして妖説には笑いがとまらない。
2020/12/30
讃壽鐵朗
二度目だが、山田風太郎の本気なのか、恍けているかの境のような会話が面白し
2014/04/06
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