素敵なダイナマイトスキャンダル (ちくま文庫)
素敵なダイナマイトスキャンダル (ちくま文庫) / 感想・レビュー
アマニョッキ
映画化されるということで。キャスト最高。峯田の近松さん早く見たい。前田敦子もこういう映画には欠かせない女優さんになりましたね。よき。末井さんのとっちらかってるけど憎めないところ満載の本書。きてれつな人のまわりにまたきてれつな人が集まって、素敵ダイナマイトになっております。
2018/03/11
tomi
初っ端から幼少時に母親が近所の青年とダイナマイトで心中した話で始まる。著者の型破りな人生を振り返る自伝。「ナウい」がナウかった30年近く前の刊行で、昭和のエロ本業界の摘発スレスレの(そして度々発禁となる)猥雑な空気が活写されている。いずれ劣らぬ強烈な個性を持つ荒木経惟、南伸坊らとの交流も興味深い。末井さんの文章のタッチやどこか「ボーヨー」とした雰囲気は南伸坊氏と似ている気がする。挿絵は蛭子能収。
2020/03/19
おさむ
先日、映画の予告編(本編ではない)を観て少し気になっていた作品。何の予備知識もなく読んだ。B級エロ雑誌の編集者の著者の自叙伝は、冒頭の母親のエピソードが衝撃的すぎて‥‥。ただ、だからこそ、上京後の著者の破天荒な生き方ぶりもウソではないかなと感じる。アラーキーや南伸坊ら、1970-80年代のサブカル、エログロの世界には、とてつもないエネルギーと才能と勢いが集まっていた事が行間から滲み出ます。4回も出版社を変えて本になっている(ただしどれも再販はせず)のも、わかる気がしました。
2020/03/29
めがねまる
「芸術は爆発だったりすることもあるのだが、僕の場合、お母さんが爆発だった」の書き出しが最高。淡々と飄々と幼少期から編集の仕事のことまでが書かれていて、どんなことをしてきた人なのかはわかっても、どんな人なのかはとらえどころがなくてさっぱりわからない。そんな所が魅力的だと思う。この人の作る雑誌、面白かったんだろうなぁ。一見とりとめもなく書いているようなのに、ハッとする鋭い言葉があったりして油断できない。エロ本危機一髪のくだりは名文だと思いました。
2018/05/28
ホークス
末井昭さんと言えばパチンコ必勝ガイド、そして必勝ガイドと言えば、不朽の名作パチプロ日記を思い出す。この本はその時代よりさらに昔の話が中心。だらだら書いている様で、時々ピリッとした言葉が飛び出す。例えば「写真は写真論のために存在しているようなもの」など、写真と絵画の決定的な違いに触れている気がする。又、エロ話も多いのに、不思議と生々しさ、因業さを感じないと思っていたら、花村萬月氏の解説にハッとした。苦しい過去は恥じらいとなって、氏の中に生き続けていると言うことか。
2015/02/21
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