戯作者銘々伝 (ちくま文庫 い 20-14)
戯作者銘々伝 (ちくま文庫 い 20-14) / 感想・レビュー
ヨーイチ
改めて井上ひさしを堪能。この作の背後にどれだけの資料が隠されている事やら。空恐ろしくさえある。昔から目にして手を出さなかったのは、多分戯作者達が殆ど知らない人ばかりだったからだと思う。読んでみると中心には有名人と歴史のトピックスが据えられていて問題無し。己の不明を知る。一人称の小説は作者の得意とするところで少し手を加えればそのまま一人芝居になる。この本全体に江戸中期以降の文芸、芸能、風俗などの知識が詰め込まれていてとてもお得、そして面白い!こうなると作者の創作と史実の割合が気になるところだが 続く
2018/06/10
ネコ虎
初めは馴染めなかった(だからずっと積読状態だった)が、読み続けると、さすがは井上ひさし。ストーリーテラーとして抜群の冴えを見せる。どの様に結論に持っていくか、つまり落ちは何なのか、ドン伝返しは推理小説のようでもある。一番気に入ったのは、何でも反対のことをしてしまう戯作者唐来参和の話。落ちは面白くも哀れである。
2016/04/21
Takao
1999年5月24日発行(1982年10月10日、中公文庫版発行)。式亭三馬、恋川春町、山東京伝(くらいしかその名も知らないが…)など戯作者12人の「銘々伝」。草双紙、黄表紙など名前は聞いたことがあっても、実際に読んだこともなく、「戯作」には全く疎いので、とても新鮮な世界だった。中野三敏の解説(これも難しい)を読むと、戯作の知識があればもっと味わい深かったことがわかるが、それがない私でも著者のユーモアは理解出来る。12人の「評伝?」それぞれに趣向が凝らされていて、意外な結末(落ち?)も楽しむことができた。
2016/01/02
tkm66
装丁デザイン・山藤章二、だと思う。
2008/11/12
mak2014
評伝ではなく、戯作者12人をそれぞれ友人・女房などが語る短編集。一編約20ページの長さで趣向をそれぞれ凝らし、意外なラストもあり楽しめる作品集。
2012/06/04
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