ねぼけ人生〈新装版〉 (ちくま文庫)
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ねぼけ人生〈新装版〉 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
kinkin
水木しげる氏の自伝。少年時代、戦争の体験、漫画家デビューと貧乏な時代、鬼太郎や悪魔くん、河童の三平といった漫画のヒットに伴う多忙な時代と各エピソードが綴られている。妖怪漫画の題材はのんのんばあとオレにも書かれているが妖怪の話を聞かされていなかったらその後の水木しげる氏の漫画は生まれなかった思う。そして戦争時代は理不尽なことだらけの中、現地人と仲良くなった話は水木しげる氏らしい、その後も現地へ訪れるなどの話が面白い。NHKで連続ドラマとして放送されたのは見逃した。図書館本
2022/09/01
1959のコールマン
☆5。今回読み直して気がついたのだが、最初の方に親戚の奇人を紹介している部分で「一生、働かなかった」という人物の多いこと。まあ誇張もあるのだろうが、なんだか気が楽になった。水木氏の年代になると説教くさくなる人も多いのだが、この本は逆に心をマッサージしてくれる。「いかにダメで、アホでもなんとかなる」といった話が続くので。もちろん水木氏本人は頑張るときは頑張ったようだが、それを他人に押し付ける要素はこの本に関してはまるで無し。こんな時期だからこそこのような朗らかな本に出会えて良かったと改めて思った。
2020/04/19
Shoji
水木しげるさんの自伝です。ガキ大将だった幼少時代、戦局へと世論が傾く青年時代、戦争にとられ南の島で過ごした時代、引き揚げ後の赤貧時代、そして売れっ子時代へと時系列に移ろっていきます。波乱万丈の人生で、一貫して感じるのは「あっけらかんとして、くよくよしない性格」。ゆえに、タイトル『ねぼけ人生』でしょうか。いやいや、なかなかどうして、ねぼけ人生なんかではありませんぞ。今の境港市(コロナで少し寂しいですが)、水木しげるロードの繁盛が彼の人柄や才能を象徴していると思います。
2020/12/10
Willie the Wildcat
利他心。他者への思いやりと責任感。著者が求めるのは、心鎮まる時間と空間。戦後復興と共に物質主義に傾倒する母国が、ラバウルへの望郷の念を高める。故のラバウルの”変貌”への失望感は如何許りかと思う。奥様との時間、特に模型の時間が、数少ない救いだったのかなと推察。著者の作風は、人との”縁”。鬼太郎の特徴の1つ1つの意味に、「生」を感じる。特に、目玉おやじ!戦争のはかなさ、虚しさへのメッセージではなかろうか・・・。
2015/03/27
トムトム
下には下がいる!つらい時に読むと良い本です。水木さんのド貧乏生活。すごく必死に仕事をしているのに全くお金が入らない人生をつづった1冊です。人間、わざわざ自殺しなくても飢えれば死ぬんだよ。一流企業に勤めていなくても孤独でも毎日ご飯食べられなくても、意外と生きていけます。ちっぽけなプライドで死ぬのはくだらない。死にたいほど落ち込んでいる人は、読んでみそ♪
2020/11/23
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