京極夏彦が選ぶ水木しげる未収録短編集 (ちくま文庫 み 4-37)
京極夏彦が選ぶ水木しげる未収録短編集 (ちくま文庫 み 4-37) / 感想・レビュー
夢追人009
京極夏彦さんが選んだ水木しげるさんのレアな掘り出し物の作品集ですね。水木さんの作品には一つもハズレがなく素朴な味で時代を超えて楽しめますね。貸本劇画・少年まんが・青年コミックから一編ずつ紹介しますね。『亡者の笛』道路工事中のブルドーザーが土中から大きなかめを掘り出す。東京大学「妖怪学」教室の助手・山田が来て研究室へと運ぶ。「妖怪学」権威の先生は、これは千二百年前の本「日本怪異記」に書かれた「亡者の笛」を封じ込めたカメではないかと言い、不思議な笛を吹く僧があり、その曲を聞く者全てが霊となり彷徨うのだという。
2021/10/20
tomi
京極夏彦が選んだ、水木しげるの隠れた傑作選。妖怪マンガだけではない、水木の幅広い作風に触れられる。ねずみ男らしき姑息な奴も登場する「なまけの与太郎」の連作、雨月物語の一篇を漫画化した「吉備津の釜」、南方熊楠の少年時代を描いた「てんぎゃん」が特に良かった。
2021/01/21
kochi
本の内容とは関係ないですが、先日の神田古本まつりでは、自身で売り子をやっていたと言う京極さんが単行本未収録作品から選んだ水木しげるの短編集。「武良茂」名義の戦国ものから「中学コース」の連載「なまけの与太郎」などバラエティに富んだ作品群が収録されいる。水木しげるの青年向け漫画は初めて見たが、なかなかの下ネタ。コメントを書く為にちょっと確認しようと本書を手に取れば、またまた、最初から読んでしまい、なかなか終わらない、まるで大掃除の時にたまたま見つけた本のようで…妖怪「繰り返し」の仕業f^_^;
2014/11/08
芍薬
京極先生。本当に水木大先生が大好きなのですね! ちょっと怖い妖怪マンガなのに愛を感じてしましました。
2015/06/09
S.Mori
贅沢な短篇集です。単行本未収録の少年漫画や青年漫画、エッセイが収録されています。壱に収録されているのは貸本劇画で、漫画の勃興期の雰囲気を味わえます。「なまけの与太郎」はゲゲゲの鬼太郎に似ており、ねずみ男も登場。とぼけたユーモアが面白かったです。青年漫画では「サラリーマン革命」が傑作です。サラリーマンによる革命が日本で成立し、どんな人でも平等というユートピアが成立します。荒唐無稽な話ですが、当時のサラリーマンが置かれていた厳しい状況が透けて見えます。
2020/01/11
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