城昌幸集: みすてりぃ (ちくま文庫 か 35-4 怪奇探偵小説傑作選 4)
城昌幸集: みすてりぃ (ちくま文庫 か 35-4 怪奇探偵小説傑作選 4) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
伯母の家の積読本用の本棚に所蔵されているのを見て借りました。意外なトリックのミステリーもあれば怪奇小説もあり、人間の機微を抉り出した話も収録されている、まさに選り取り見取りなショートショート集。「白い糸杉」のような唐突感もあれば、「波の音」のように語り手の心理と周囲の心理の差異に密かにあっと言わされたり、「もうひとつの裏」のような切ない人間心理を描いたり、お見事!
2014/02/27
かわうそ
しっかりオチのつくミステリーや怪奇幻想風味のものから、人間心理の機微を描く哲学的な短篇まで幅広いバリエーションのショートショート作品集。一編ごとにどの方向に着地するのかわからず読み進めるのが楽しい。
2014/01/12
林 一歩
著者の作品は初読。初期横溝作品に通ずる摩訶不思議な掌編集といったところか。他の作品も読んでみたくなりました。
2012/07/07
王天上
この時代の作品は他では味わえない風味があります。奇抜なアイデアを掌編に惜しみなく注いだ贅沢な一冊だった。
2017/06/15
Aminadab
横田順彌『日本SFこてん古典』からの流れで読んでみた。捕物帖「若様侍」で知られた作家だが、本領は奇妙な味の掌編にあり、この流れから星新一が出てきたという。前半に全編収録された自選集『みすてりい』はやや戦後の作に偏っているが、後半は大正末年~昭和一桁の作を年代順に納めている。掌編ばかり530ページ読むのは少しもたれたが読み応えあり。自選集では「ママゴト」、後半では「シャンプオオル氏…」と「影の路」か。「艶隠者」は巻頭にあるから自信作なのだろうが、実は私にはマップがどうなっているのかよくわからなかった。
2019/08/21
感想・レビューをもっと見る