小説の解剖学 (ちくま文庫 ち 7-1)
小説の解剖学 (ちくま文庫 ち 7-1) / 感想・レビュー
活字の旅遊人
単行本が1995年。創作学校の講義を元に書かれている。その後もいろいろな作家が出ては消えている。でも、中条氏の言うところはきっと基本。だから古臭くはないし、むしろ正統派の薫りすら漂う。あとがきにもあるが、中条氏は「自分で小説を書く暇があったら、少しでも多くの本を読みたい」方であり、そうなると当然のように注文も多い。ただ、やはり自由に書けることの良さもちゃんと語られている。踏襲と破壊と。新しいものはその両輪。先日読んだ森博嗣『小説家という職業』とは全く視点が違っていて、面白かった。
2021/04/27
chiseiok
大好物の小説作法ものです。で、今回の著者は書きではなく読みのスペシャリスト。書く時間があるくらいなら読む方に充てると仰るだけあって、例題作品の解体分析っぷりが凄い。ほとんど天才外科医の神業メス捌きです。但し実際の作者の思惑以上に分析しちゃってる気も^^;。形容詞、副詞を捨てろ…っていうのはみんな云いますけど、文章に形容詞を増やすと作品の湿度が上がる、結果腐りやすくなる(=経年劣化、陳腐化する)っていうのは、成る程なぁと。キングが副詞をタンポポと表現してましたが、本作も負けじとかなり上手いこと言ってます。
2015/12/05
服部
「バナナフィッシュにうってつけの日」の読み解きは面白かったが、それ以外は「●●してはいけない」「××するのは面白くない」などべからず論が多くて、読んでてあまり気持ちのいいものではなかった。心に余裕があって、これから良い文章を書くぞという気概のある人だけ読んでください。私は文章を書くことが怖くなってしまいました。
2020/05/19
Z
普通に面白かった。小説家の技術を解読していく本.物語の作り方や比喩、ビョウシャの技法について一通り解説。こういうのを読むと、適当に本読んでるなぁと反省するし、何か小説でもよみたくなる。
2019/04/28
葦附
読みました。小説をひたすら読んで分析していくことで、いい小説はどういうふうに工夫されているのか、ということが解説されているHowto本。単純に読みものとしてもおもしろいと思う。ちょくちょく再読していきたい。
2018/01/11
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