謎の物語 (ちくまプリマーブックス 51)
謎の物語 (ちくまプリマーブックス 51) / 感想・レビュー
いちろく
紹介していただいた本。明確な結末を示さなかったり、読者に問いかけたり、と謎は謎のままなお話を纏めたリドル・ストーリーの短編集。「女か虎か」目的で読んだ一冊。先に読んだ山口雅也版よりも、原文をそのまま訳した内容であり、ストーリーがより明確である分、読者に投げかけられる問は、より印象に残る。本編に習って、私はどう感じたか?はあえて明記しない。いつか誰かと話題にしたい内容の一つ。性別年齢だけでなく、今の自分の状況でも明確に回答が分かれそう、、、という印象。
2017/10/15
Kouro-hou
リドルストーリーの短篇集。「女か虎か」を筆頭に11篇を収録。中高児童向けで字が大きくルビもばっちりなのが良いw 「女か虎か」や「謎のカード」は作者が続編、解答編を書いているが納得のいく出来ではないと切り捨てる紀田純一郎先生の解説も良いw 鉄板のデラメア「なぞ」、児童書にしてはオトナ向け?木々高太郎「新月」、元祖ぶつ切り小泉八雲「茶わんのなか」、なかなか真相がぼやけてて良かったのが主人公がヒーロー化して一件落着、すっきり終わって逆にもやもやするwホーソーン「ヒギンボタム氏の災難」がお気に入り。
2022/09/26
ぐりとぐら
リドルストーリーを集めたアンソロジー。『謎のカード』(モフェット)。『穴のあいた記憶』(ペロウン)、『なにかが起こった』(ブッツァーティ)などが特に印象に残ってる。『世にも奇妙な物語』とかに合いそうな。『なぞ』(デ·ラ·メア)は、幻想映画の様で美しかった。『新月』(木々高太郎)は、ラストの細田氏の気持ちが複雑なんだけど、なんとなく説得力あるなと思った。無粋だけど、『謎のカード』の回答は知りたいなぁw
2021/01/08
おーすが
児童書にしては、なかなか難しい内容な気もするが、大人が読むにはかなり楽しい謎文学(リドル・ストーリー)。こういうの大好きだな、と自分を再発見する思い。リドル・ストーリーの代表作「女か虎か」はもちろん、タイトルそのままの事態に焦燥感だけが掻き立てられる「なにかが起こった」、無駄にシリアスな夢を見た後の脱力感すら感じる「おもちゃ」など、素晴らしい。名作揃いで大満足。続編もあるようなのでぜひ読みたい。
2021/11/25
きりぱい
謎を残す物語のアンソロジー。答えの出ない結末にもやっとさせられたりしながらも、これが巧くて面白い。「女か虎か」「謎のカード」がとびきり。文庫で復刊もしているけれど、収録内容が違い、こちらはブッツァーティは「七階」ではなく「なにかが起こった」が入り、デ・ラ・メアの「なぞ」とともに不気味さのなかに置いてきぼり。特に、昭和ミステリの雰囲気で心理の深部を覗かせる木々高太郎の「新月」がいい。あとは上田秋成や足穂、H・ジェイコブズが入る11編。
2012/06/15
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