新エミール―育児と教育について (ちくまぶっくす)
新エミール―育児と教育について (ちくまぶっくす) / 感想・レビュー
Midori Nozawa
もう40代半ばとなる息子たちを産み育てた頃を思い出して読んだ。毎日が必死だった。保育園に預けて職場へ。3人の男児たちをよく育てられたか?と考える。毛利子来氏は勇気を奮って書かれたと思う。子どもは病気をうつし、うつされて、強いからだになっていく。はしかやインフルエンザのような悪質な病気を除いて。でもわが子が病気になったとき、あわてて医者に駆け込む私だった。ゼロ歳児という言葉への論考もおもしろい。70歳大人とか呼ばれて、型にはまった理想形などがあるとしたらぞっとする。一人一人が自由であるべきと著者。
2021/10/29
makimakimasa
病気は義務。健康を個々の立場でなくマスの尺度から評価する傾向、心配を押し付ける親と余計な治療を施す医者への痛快なアンチテーゼ。国家の体面重んじて危険顧みず、国民に強制してきた予防接種を批判する件、初版79年と思えぬ程コロナ禍の今に通ずる。ベビーベッドは牢屋、大抵の物は舐めさせてよい(バイ菌を飼い慣らし共生)、ドーナッツ枕は不要、玉の肌は期待するな(皮膚の旺盛な反応力)等、耳が痛い。しつけは理屈より情感に訴え、受け入れを待つ(主体性を持たせる、気長さ必要)。悪い言葉は封じず、嘘もその世界に入って遊んでやる。
2021/09/13
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