漱石を読みなおす (ちくま新書 37)
漱石を読みなおす (ちくま新書 37) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
帝国主義化がすすめられていく明治の日本と、そこであくまでも「個」として対峙していく漱石が実に鮮やかに描き出されています。また、個々の作品(特に猫から前期三部作)の「読み」にも目を開かれる思いです。
2011/12/20
ぶらり
漱石を社会的背景と社会における漱石個人の位置付けから読む一冊。漱石トリビアといった感じで豆知識の取得満足感大。「漱石の世界」を何倍にも拡張して思考したいならお奨め。筆者の社会背景から作品を解釈する手法は勉強になるが、社会背景から作者漱石を解釈する手法は構造主義的でゲンナリする-筆者の批判的視点を漱石に埋め込んで代弁させている感が強い。当時の資本家資本主義の下で、その社会的生活背景を特異化して描くのは、「金之助」の知識レベルとして当然の態度であり、「漱石」の科学レベルとして当然の手法選択だったのではないか。
2010/09/22
あなた
キーワードは、「権力」である。しかも日常に掩蔽されながらも、ねづよくはりめぐらされた「権力」のことだ。ひとは「権力」なしにいかなるコミュニケートもできない。いや、コミュニケートすることは「権力」を行使することなのである。小森陽一の生い立ちを知る人間なら、コモリヨウイチという男が漱石テクストと向き合うことで「小森陽一を読みなお」していることにすぐ気付くだろう。それは、自己言及性を失いながらも、他者を抑圧し続ける無自覚な「日本」への復讐でもあったといっていい
2009/09/07
遠藤三春
漱石の生涯と作品の中からみられる漱石という人物について。猫、子規、倫敦、文学論、金、意識、戦争など。新書なので読みやすく解説されています。
2011/05/20
tetuneco
しまった!漱石読んでへんかった!
2008/04/01
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