もてない男: 恋愛論を超えて (ちくま新書 186)
もてない男: 恋愛論を超えて (ちくま新書 186) / 感想・レビュー
キク
凄まじい。東大大学院卒の評論家が「もてない男」として、童貞・自慰・恋愛などを語る。「恋愛弱者は存在する。私は『私怨』でこれを書いた。切実に異性に飢えた学生時代に、もてなかった怨念は忘れない」圧倒される飢えだ。それに比べれば、僕の承認欲求や他者への欲望なんて皆無だ。家を出るまでの間、母親と妹から愛されて育ったからだと思う。親が子に与えられる一番大事なものって、「無条件で愛された記憶」だ。それがあれば本当に辛い時「大丈夫、自分は愛された存在だ」と信じることが出来る。そうすれば大きく拗らせることはないと思う。
2023/02/14
佐島楓
たいていのひとが生まれながらの自分の性しか生きられないというところにさまざまな問題が浮上するのだろうと思う。ただまあ、同性であっても理解の範疇を超えているひとというのも存在するわけだが。文学論や恋愛論から途中で激しく脱線してエッセイに突入してしまうあたりが読み物としてよかった。
2018/02/04
mitei
文学的見地から男の精神状態を表現してもてないとはどういうことかを考察した一冊。
2012/06/19
アマニョッキ
めちゃくちゃ面白かった!久しぶりに本を読みながら声出して笑ったよ。ひと昔流行った言葉を使えば「こじらせ男子」、その一言。主張も一貫性があるようでないようで、なんかこー、思う通りにモテない自分への悲嘆というか哀憫というか、新書っぽくないなと思っていたらあとがきにエッセイだと書いてあった。なるほど納得。琴錦の「どっちも好き」と裕木奈江バッシング、久しぶりに思い出させてくれてありがとう。あと途中めちゃくちゃいい事言ってるところあるのも最高。だけどとりあえず上野千鶴子さんには謝った方がいいと思います(褒めてる)。
2023/03/03
lonesome
以前から小谷野さんには近しいものを感じていたけれど、恋愛観や結婚観を読んでとても共感した。第五話で妾の存在意義という話題になってどうもてない男に繋がるのかと思ったら最後に繋がった。この本を読むまで小谷野さんは強面でちょっと怖い人なのかと思っていたら、貫通罪の話で「配偶者以外とのセックスは逮捕覚悟でやってもらいたい」なんて書いてあったからユーモアのある面白い人なんだと気づいた。そして引用されるたくさんの本にとても興味がひかれた。小谷野さんの小説も二冊買ってあるので楽しみだ。
2014/08/07
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