「恋する身体」の人間学 (ちくま新書 392 シリーズ・人間学 2)
「恋する身体」の人間学 (ちくま新書 392 シリーズ・人間学 2) / 感想・レビュー
tamami
哲学は情緒や身体等について、対象としてしっかり扱ってこなかったのではないかと著者は言い、現代におけるそれらの捉え方について語る。人間は動物の一種だがただの動物ではない、心とは「はたらき」である、身体とは「意味」の体系である等々以下の章立てにおいて、心、身体、情緒、言語、性愛感情について本質看取の方法を駆使して解説していく。一読、非常に分かり易く、心身問題、ことに人間の「死」の意味について、これまでのモヤモヤした思いが払拭されていく印象を持つ。講座「人間学アカデミー」での講義をまとめたもの。2003年刊。
2022/07/24
サメ社会学者Ricky
哲学や身体論の話から後半の恋愛論につながっていく。養老氏も触れていたが、アイデンティティを考える上で身体を忘れてはならないと実感した。後半の恋愛論は、自分の恋愛論を深める上でも参考になった。動物と人間の違い、恋愛の陶酔と卑猥という二面性など、反論と含め色々と考えることができた。
2014/05/02
KakeruA
著者も触れているが、恋愛と身体性について論じられたものではない。哲学と思想を振り返りながら、身体と行為を結ぶ情緒について論じ、不可分な身体の限界性を乗り越えることは、他者を恋して(共同体として)乗り越えるか、自己愛(新たな自己の発見)による陶酔によって乗り越えるかとまとめる。西田の行為的直感を引き合いに出した説明が明快であった。
2013/07/23
biblos
人間と人間の関係と,言葉・性愛などの観点から哲学的に解説している.関係性やコミニュケーションを改めて考えさせられた.
2012/11/11
Tomo
文章は読みやすいけど、やっぱり、哲学は難解。あんまり理解できなかった。少しだけ、芥川龍之介と太宰治の恋愛についての考え方の違いに触れていて(ほんの数行ですが・・)そこだけは、わかりやすかったです。
2012/09/03
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