若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書 429)
若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書 429) / 感想・レビュー
佐島楓
フリーター論なのだが、逃避の結果としてのフリーターと決めつけてしまうのはいかがなものか。正社員になれない結果フリーターにならざるを得ない方々だって多いはずだ。あと漱石の高等遊民を引き合いに出してくるのは、今現在と社会構造などが異なっているため純粋に比較はできないのではないかと思った。辛口で申し訳ないですが、ちょっと考察が中途半端。
2014/04/29
寝落ち6段
2003年刊。なので、現在の2019年とは、フリーターの質が異なる。当時21世紀の初めの初め、バブル崩壊から10年、失われた10年なのである。働くことの目的を見失い、安泰がなくなった。企業の門戸は閉ざされた。企業からの締め出しにあった若者は、自分たちこそが歯車になりたくないと強がり、逃避した。その人たちが今や、40歳ぐらい。事態は、古参のフリーターとリーマンショックや意識高めの企業の実力主義(笑)によりフリーター(派遣を含む)にならざるをえなかった新人が入り乱れる現在に繋がる。
2019/06/07
hwconsa1219
「フリーター」を中心とした現代の若者についての分析と作者なりの「処方箋」を示した本。ちょっと色々な方向に雑多に書かれている感がありましたが、個々の章での論は納得できる点が多かったです。夏目漱石が頑固者であったこと、また「三四郎」など、その作品の内容が現代の状況に似ている、というのは興味深かったです。夏目漱石が読みたくなりました。
2012/04/07
Bartleby
「サラリーマンなんて~。そういうふうになりたくない」や「~の仕事はやりがいがない」というのは当たっているところがあったとしても固定的なイメージで捉えて批判している。それを理由にフリーターを続けている人はもしかしたら今の自分が傷つくことや変わることを避けたいのかもしれない。固執しているイメージを疑ってみることは、そのイメージを抱いていた自分のあり方にも揺さぶりをかけることになるだろうから。この本は、フリーターの人を責めるような口調ではなく、ちょっと改めて考えてみない?と提案する感じの好感がもてる文章でした。
2011/09/09
kinonis
社会学的な目線からフリーターについてのレポートを書きたかったのであるが、少し資料とするには趣が違った。ただ、フリーター論としては一般的な批判書とは違い、そもそものフリーターからというところからで秀逸
2012/02/10
感想・レビューをもっと見る