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無思想の発見 (ちくま新書)

無思想の発見 (ちくま新書)

無思想の発見 (ちくま新書)

作家
養老孟司
出版社
筑摩書房
発売日
2005-12-06
ISBN
9784480062802
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無思想の発見 (ちくま新書) / 感想・レビュー

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やすらぎ

洞察が深すぎて迷子になり続ける。その瞬間は納得できるのに、思考の整理が大混雑。壁シリーズは読みやすさを重視しているが、本書は本気である。別に売れなくたっていい。素直に考えていることを書いたんだからそれでいいと。…日本の伝統的な「道」を思想として説明するのは困難。世間では理屈ではなく体で覚えろと言う。所作は言葉では表現できない思想であり、追い続けることが無思想である。…言葉にならないものは存在しないという考えを持つ人がいるが、人間が気づかないだけで、言葉にならないものは多く存在し、感覚世界で成り立っている。

2021/10/27

kawa

日本人は無思想、無宗教だと言われるが、「無思想、無宗教という思想」を持つのだと喝破する。世界的にみても自然災害の多い国土故に(地球上の1/400の陸地面積で、大地震が2割、噴火が1割発生する)、災いが起きると「仕方がない」と現実を受け入れがちな日本人の態度は、思想と現実が補完関係にあると考えると、「無思想という思想」に依拠するものだと…。このような日本人の現実重視の態度は、世界が驚いた明治維新や太平洋戦争後の変わり身の早さ・無原則性の説明にもなり得る。なうほどォ、これものすごく説得力のある考え方だと思う。

2020/10/17

akira

新書。 難しかった。ぜんぜんわからなくて、感想が書けないというのが本音のところ。つまるところ、無思想とは個のない葦のような人間をいうのかとも思えたが、それではまだ不十分。 養老先生は自信で経験する感覚を大事にせよと繰り返し書かれている。事象の大部分を拾いきれない言葉という伝達手段は、その欠点をまだまだ認識されていない。インターネットの次にくるイノベーションでは、そこが補完されるのだろうか。 「『言葉にならないものは、存在しない』という傾向」

2017/01/03

ちさと

自分探しに大忙しの現代社会の若者に、「自我なんてないよ、自分は世間の中にいるじゃん」という養老さんの意見を伝える本です。感覚世界(現実)と概念社会(思想)の違いを比べながら、日本人の無思想・無宗教というのは、暗黙のうちに真理を追っていて、その思想こそがもっとも真理に近づく道だと絶賛されています。ソクラテス的な熱い気持ちで、感覚世界つまり五感で感じる現実を知ること、例えば山で虫取りとか虫取りとか虫取りをしてみると、自分が変わり、世界も変わって見えるそう。

2018/08/18

chie

無思想でも、発見はできる。言葉は分かりやすいのだけれど、自分の無知・無力が壁になって、理解が難しい。自分という「かたち」は、変わらない様に見えて、刻一刻と変化しているもの。意識しようと、しなくとも。思想は、その変化の種みたいなものなのかもしれない。自分は無思想だと言うことさえおこがましく思えてきたりしたけれど、私も、思想はその人の個性に現れるものだと思う。読後、日本に生まれたことを幸運だったと思う。その思いがずっと続く様に、また、次世代の人達のためにも、今自分が出来ることは何かを勉強していきたい。

2020/03/08

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