建築史的モンダイ (ちくま新書 739)
建築史的モンダイ (ちくま新書 739) / 感想・レビュー
T M
連載を元に編集されている、ワンテーマごとに徒然なるままに綴った建築エッセイ。他の方も書いてらっしゃいますが、モンダイに対して論理的な解決策が示されてるというよりは先生の実地経験に基づいた推理である。それぞれのテーマ全て面白い。また、推理がユニークだけど単なる机上のものでなく感じるのは、先生とその建築の、自然との親和性の高さからだと思う。本著でも建築と大地の関係に触れられていたが。別著で磯崎新が、藤森氏は意図せずとも縄文的というようなことを言っていた。藤森先生は土の人だ。
2017/08/01
寝落ち6段
建築史家として、思うところを書き連ねた、建築エッセイのような感じ。文章は軽快ではあるが、散漫としていて、こちらとしても恐らく筆者としてもよくわからない建築史的モンダイが、本当にわからないまま書かれている。全然解決もしていないが、決して悪書ではなく、何が解っていないのかが解るのだ。911テロで、あのツインタワーが崩れていくのはどういう構造だったのか、など意外な着眼点もあって面白い。
2015/02/13
Mark.jr
本書に書かれていること ・人類最初の建築とは何か。ポイントなのは住居ではなく建築。つまり、機能的であり美的感覚も備えているもの。 ・和と洋の建築スタイルの根本的な違い。または、何故和館の隣に接客用の洋館を作ったのか。 ・欧米に比べて、何故に今も木造建築(しかも、傍から見ると木造に見えない)が主流なのか。 ・世界で初めて消えた高層ビルは何か。そして、何故今まで高層ビルの建て替えがなかったのか。 若干図があった方が良いなという場面もありますが、私みたいにあまり専門用語を知らないにわかでも楽しめる良い本です。
2019/11/26
OKKO (o▽n)v 終活中
ご存知建築探偵の藤森センセが、パルテノン神殿からモダニズム、茶室からWTCまで、建築について日ごろ考えておられることをキッパリ書き放った一冊。先日来、一時的にではあるが、「なぜモダニズム建築は保存されなければならないのか? 一方、なぜ無批判に解体してしまう人が多いのか?」を命題に据えたワタクシだが、コルビジェ、レーモンド、そしてカーンの価値を知るだけでは「残すべき美」としての説得力がないと思うの。そして、この本みたいに美の代わりに「面白さ」(浅薄な面白さとは違うが)で説く方法もあるよね。
2013/03/19
たく
久々に思い出して再読。アンドーの打ちっ放しが世界で評価される理由がやっと理解できた。壁を打ちっ放しにしたからなんですね。
2012/08/26
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