美人好きは罪悪か? (ちくま新書 788)
美人好きは罪悪か? (ちくま新書 788) / 感想・レビュー
Ted
'09年6月刊。△総じて書き散らかして急いで纏めた感じのするエッセー。「第7章 歴史のなかの美人」だけ急に難解になったりして、文体も内容も斑のある構成になっている。美人に対する著者の並々ならぬ拘りは分ったが、著者がいうところの美人は私には全然美人とは思えなかった。仮に「美人と結婚」して著者の願望が叶ったと仮定して、その後の人生での容貌の衰えはどう受容するつもりなのだろうか。東大総長森亘の式辞の軽薄さに仰天したとあるが、本書のような内容を堂々と本にする自分を「インテリ」と規定する著者の自意識もどうかと思う。
2015/12/30
xtc1961ymo
「もてない男」の著者が書いた考察。いまひとつ、テーマが絞られず散漫な印象。彼も山田詠美も文芸評論家の齋藤美奈子さんに一目置いているのが面白い。谷崎の春琴抄に関する話は読ませた。
2013/08/22
Moriya Mononobeno
小谷野敦の前作の日本文化論が面白かったので読んだのだが今回はそれほど面白くなかった。やはり、美人の定義が難しい。美人は一生美人の人もいるし、途中で美人でなくなる人もいる。また、小さい時は不美人でも40過ぎて美人になる人もいる。それに男には美人と思われても女には美人と思われない人もいるし、実は美人の定義は流動的なので美人好きは罪悪かというテーマそのものが成り立たないと思う。かえって作者が美人と思った人についてなぜ美人と思うのかと解説した美人論ほうがすっきりすると思う。
2018/09/23
kokada_jnet
猫猫先生のいつものスタイルの、「お題」(今回は美人論)を決めておいて、それに関連する、自身の「世間の常識」に反対する独自の論の展開や、他の論者への攻撃などがまざった本。元が雑誌の連載なので、話題が飛び飛びだが、猫猫節は健在なり。
2009/07/17
みさ
女好きのインテリおじさんが、居酒屋で語っている印象です。専門的な切り口を期待してたけれど、独断と偏見のエッセイでした。でも著者の知識の豊富さで、楽しく読む事ができます。私は近代の文学作家の恋愛事情が面白かったです。テレビで見かける芸能人の名前も挙げられるので、退屈しない事間違いなし。
2016/06/11
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