ルポ 餓死現場で生きる (ちくま新書)
ルポ 餓死現場で生きる (ちくま新書) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
痩せこけて骨が浮き出し、お腹だけが風船のように膨らんだ栄養失調の子供。著者がエチオピアで見たのは、膨らんだお腹を抱えるようにして、手縫いのサッカーボールを蹴る子供たち。村の大人は「もちろん体力は少ないし、病気にもなりやすい。しかし、遊びたいという気持ちが無くなるわけじゃない。1時間サッカーする体力が無ければ、5分だけすればいいだろ」飢餓に瀕する子供にも、生きる「生活」が有る。栄養不良・児童労働・初等教育すら受けれない無教養が招くもの・児童結婚・ストリートチルドレン・貧困国で広がるエイズと、全てが複雑に→
2014/07/05
ちゃんみー
学者先生が統計の数字だけで御託を並べ立てるものとは大きく違う。実際に見て聞いて書いたものはすっと入ってくる。貧困に苦しみながらそれでも生きていく術は様々だが、同じ人間としての生活とは思えない程の悲しさがある。アフリカやアジア諸国のこれらの状況はいつかは改善されるのだろうか。多民族国家でない日本人にはわからない難しさはあるのだろうが、せめて100年先には同じ人間としての幸福感を味わえるようになって欲しい。本当ならこれを機会に自分にできることを考えるべきなのでしょうが、それは次代の人達に考えてもらいましょう。
2016/09/01
ふろんた2.0
児童労働・売春、HIV感染、飢餓状態の生活。数値で見るとおぞましいものがある。一方で、それが生活手段として根付いているものもある。著者は寄り添うことで彼らの生活を彼らの幸せが何かを見出す。困窮に対し、手を差し伸べることが救いになるとも限らない。考えなければならない。だが、知れば知るほどどうしていいかわからない。
2014/05/15
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
石井光太氏による世界中の飢餓状態の子供達のルポ。自分には何もできない、と無力さに打ちのめされるが、ひとりの子どものためにでも自分ができることはないか考えるとよい、と。
2017/06/27
ヨクト
飢餓、児童労働、教育、児童結婚、ストリートチルドレン、子供兵、HIV、貧困地域の現実を見つめた本。問題がある。これから数十年、それ以上の年月をかけなければ解消できないかもしれないほど多大な問題がある。だが世界はよく偏った見方で見てしまう。現場の実情を表面だけしか理解せずに、先進国の価値観ではかろうとしてしまう。現実はそんなに簡単ではないのだ。「様々な角度から見える現実があるわけですし、それらには何一つとして一概に否定していいものなんてないはずなのですから。」
2013/09/10
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