日本劣化論 (ちくま新書)
日本劣化論 (ちくま新書) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
日本は破滅に向かっている(表紙見返し)。笠井氏曰く、アメリカの東アジアや日本への姿勢は変化してきているという(025頁)。白井先生曰く、 官僚機構のあり方が、永続敗戦レジームを惰性で続けていく傾向をつくりだしてしまっている(046頁)。笠井氏曰く、非正規の賃金が上がっている話は、少子化の若年労働者の現象の結果(054頁)。白井先生曰く、雇用の劣化・崩壊はワリを食った人に剥奪感をもたらす(146頁)。
2014/09/16
Miyoshi Hirotaka
「ベルサイユのばら」は王太子妃付きの近衛士官が、民衆に共感し、王権打倒の先頭に立つ劇的な話。史実では、絶対王政は打倒されたが、革命が過激化し、さらにナポレオンの登場で、国民国家体制が強化され、ヨーロッパの争いが世界中に波及する時代に突入した。国民国家の解体には大規模で過激な民衆運動が必要で、市民革命の継続と完成を目標とする理論。一方で、それに伴う人的損害には、無関心で過小評価している。王政を打倒し、歴史の断絶を生じさせた国に起きた悲劇に目を向けるべき。机上の理論を安易に引き継ぐとさらなる悲劇が繰返される。
2019/03/31
ゆう。
僕にとっては、少々難しくもあり、納得できない部分も多くありという本でした。3.11を日本社会の失敗の帰結であり、証拠ではないかと問うことは簡単です。そして、日本の右派、左派を客観的に批評するのも簡単です。しかし、この本からは3.11からの反原発運動や戦争法に反対する運動など、市民の一人ひとりの中から拡がっているムーブメントを正しく捉えることができないのではないかと疑問を持ちました。ただ安倍政治などにみられる反知性主義の広がりは「そのとおり!」と思いました。結論としてはよくわからない本でした(^▽^;)
2015/12/22
onasu
衆院解散で争点は、アベノミクスの是非だけのようになっているけど、基地問題、近隣国との関係とか問題は山積のはず。 今世紀の国家は、こうした問題への対処法を持ちうるのだろうか。まして、日本という国は…。 白井先生の前著「永続敗戦論」にもあった通り、日本は敗戦国であって、これまでは幸いにも、あまり意識せずにこれたけど、国際環境は変わっている。そこを弁えずの政策に有効性はないのだが、ここのところの振る舞いをみていると…。 半分以上は読んだだけ、ここに対処法を求めても…だけど、前半なんかは特に暗澹とした。
2014/11/26
白玉あずき
面白い! 付箋だらけ、引用したい箇所多数。再読必至。笠井さんのご意見は年齢が近いからかおおむね納得できるのだが、白井さんの世界観価値観は・・・私の人生を支えていた背骨が崩れていくような・・・ 私に反論可能かしら?詳細な内容感想については、再度読んでるのでパス。それにしても無教養で幼稚な政治に対する、現実的な対抗勢力を作ることが出来ない今の社会には本当に幻滅してます。社会が右肩下がりの時、修養主義や個人の努力に対する無力感があるのはわかる。だがこの不安感剥奪感が向かう攻撃対象が内には弱い者いじめ、外にはレイ
2014/11/20
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