がちナショナリズム: 「愛国者」たちの不安の正体 (ちくま新書 1159)
がちナショナリズム: 「愛国者」たちの不安の正体 (ちくま新書 1159) / 感想・レビュー
daiyuuki
安倍首相の政策を批判する発言をすると失礼で不謹慎と批判するネトウヨの心理の底にあるのは、日本社会独特のパターナリズムを良しとする傾向とそれを強化する親への反感エディプスコンプレックスのない若者の増加とその時の世間を象徴する絶対的な象徴に盲目的に従う傾向。安倍首相の傲慢な態度にある、反動形成、権力者特有の傲慢症候群、自分の中にある不安や怒りを他者に投影する傾向。安倍首相をはじめとする日本が抱える排外主義という病に、奴らを通すな!と叫ぶための1冊です。
2016/01/25
tetsu
★3 愛国者やナショナリズムというとちょっと前までは右翼的で敬遠される傾向だったけど、最近では朝鮮半島の動きがちょっと怪しくなり、国防や憲法改正などが話題になる事が多くなった。 また、ヘイトスピーチやネトウヨなどに代表される排他的な動きも目立ってきた。 逆に、それらの過激さを批判すると非難されたりネット上で攻撃されたりとちょっと危うい状況も表れてきている。 現在のネット社会では、自分の好きな情報のみ取捨選択して思想的に偏ることもありがち。 色々な立場の考えや思想を冷静に判断することこそ必要なのでしょう。
2017/05/20
skunk_c
首相やネトウヨにさんざん痛めつけられた体験を、それほど激することなく分析のネタにしているのがまず「さすがだな」と思ったところ。『プチナショナリズム症候群』は既読なので、重複する部分もあったが、2002年から13年で事態は確実に悪くなっている。「スポーツナショナリズム」「憲法を「精神分析」する」は読んでいなかったので新鮮。特に後者のエディプス・コンプレックスとの関連や、安倍首相の傲慢症候群、微細な差異故に韓国・朝鮮人を差別するなど、興味深く読めた。在日差別については、明治以来の歴史構造が大きいと思うけどね。
2015/12/18
ダンボー1号
「ぷち」から「がち」へ。ネットの普及でデマがネットで真実に変わり浸透伝染、偏った考え差別レッテル張りする人が増えていく。その過程が理解できました。し日韓Wカップまで日本が好きと発言するのはカッコ悪い、非難されむしろネットにはネトサヨのほうが多かったです。外国見て愛国に目覚めたのが悪いとは思いませんが方向性が偏ってきているのは残念です。香山さんの本7冊目ですが香山さん自身も左に寄ってきてるように感じます。お医者さんだから政治色薄い社会学食が強い本読みたいです。女性知識人ほど感情的な安部批判が強いですね。。
2016/02/02
シロクマとーちゃん
ネットやテレビから感じられる世間の右傾化を取り上げている。日本を自画自賛するバラエティ番組が多くて変な感じというのは、うちでも話題になっていた。また、いつぞやのオリンピックのときは、ある国の選手が不当に高得点を得たと、まことしやかに陰謀説が議論されていたし。自分と違う誰かに不快感を持つ人がいるというのはある意味、仕方ないことではあるが、それが今のネット社会では、抑えられることなく表に出てきて、簡単に拡散したり、中傷に発展したりする。人間の悪い部分が助長されるようで怖い。
2016/03/04
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