社会学講義 (ちくま新書)
社会学講義 (ちくま新書) / 感想・レビュー
harass
社会学概論的な本で手軽なのを探してこれを手に取る。別冊宝島の一冊を再編集したものらしい。6人の社会学者たちが概論理論だけでなく社会調査論などを紹介。個人的には古市の対談本で出ていたパーソンズなどの古い社会学者たちの成果と問題を確認。全部の章が分かりやすいとは言えないが読み物としておすすめ。家族社会学の項目からのけぞる話を一つ。50年代日本の学者が滞在先のあるチベットの村で、個人間の一対一の婚姻ではなく、系譜の異なる親族集団間における一グループ対一グループの婚姻が制度的・慣習的に行われていたという。
2017/06/28
佐島楓
難しかった。入門書には向かないのかもしれない。あくまでも定義を示しているという感じ。
2016/10/13
かわうそ
原子同士を引き離しても原子というものは変わりはしない。でも、人間は社会から切り離された時点でそれは人間ではなくなるのである。そういう意味では、社会を単一の要因で説明することはそもそも不可能なものであることがわかる。マルクス主義は政治学や経済学から社会学を切り離すことはできないということを示した点においては評価できるのであって、階級闘争という単一の要因で社会を説明しようとした点において考えてみれば不出来なのである。社会学は人間と人間の関係を考える学問であることが分かれば理解の第1歩だ。
2022/02/23
特盛
評価3.7/5。社会学を体系的に今一度整理する為読む。橋爪氏が概観、大澤氏が理論を、その後都市や文化、家族といったテーマ別に別々の人が書く。社会寄りvs個人寄りの解消しにくい2項対立や、学者自体が社会に内包し一定のバイアスがある点、ウェーバー、デュルケム、ジンメル以来なかなか普遍的な理論をうちたてるのに苦労している、社会学ならではの課題が通して伺える。社会というテーマは大きい。故の特有の難問だ。2016年に書かれた本なので、社会のデジタルシフト本格化後の変容と意味に一層興味がかきたてられる
2024/06/24
PONSKE
「関係を扱う学問」3回目だが、まだ難解なところが多くて、帯で入門書と謳うだけにちょっと悔しい。社会学とは何かという概論は、第1章でまとめられている。第2章〜第5章は、理論、都市、文化、家族と焦点が異なるものの、「自明のものは案外そうでないのかも」という部分は通じている気がした。
2018/08/04
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