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まんが訳 稲生物怪録 (ちくま新書)

まんが訳 稲生物怪録 (ちくま新書)

まんが訳 稲生物怪録 (ちくま新書)

作家
大塚英志
山本忠宏
出版社
筑摩書房
発売日
2021-10-07
ISBN
9784480074355
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まんが訳 稲生物怪録 (ちくま新書) / 感想・レビュー

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がらくたどん

めっちゃ欲しかった本!帯が無いとこの激ジミ装丁ですが、扉をめくればオヨヨ・ぐぬぬな妖怪絵巻の世界がまさかの斬新コマ割りオールカラーで迫ります♪日文研さんの「まんが訳絵巻プロジェクト」の1冊。所蔵の「稲生家妖怪傳巻物」を撮影・コマ割り・ネーム入れした怖おもしろい力作。原型は稲生家の平太郎君16歳が自宅で実際に出会った妖怪の皆さんとのテンヤワンヤを書き残したいわば元祖「実録ホラー」物。「実録だってよ」「そりゃ~ヤバイわ」ってな感じで後世の好奇心を大いに刺激して今に至る、平太郎のボンヤリ度が痺れる一品。いかが?

2023/10/01

ミエル

絵巻をコラージュしたまんが訳絵巻の手法は、素朴でアート感満載。こんなにも味が出るなんて目からウロコ。冒頭で登場人物がアイコン形式で紹介されたり、絵巻をカットしコマ割りする大胆な作戦にワクワク、見事術中にハマる。稲生物怪録は、現代でいえば実話怪談・事故物件体験編と言ったところか。このコンビニコミックにありそうなカジュアル感がたまらない。平太郎が心霊スポットへ行ったことから始まった怪異が30日続く流れも、ありがちな心霊体験と同じ。いつの時代も、若者の無茶行為は変わらず微笑ましく思う。

2021/11/04

みーなんきー

昔、実際に妖怪を見た人たちから聞いた話をまとめて、それを語る。その絵はリアルで、今近所に住む人々のよう。妖怪が周りをウロウロとしていた時代、或いはそう信じられていた時代の様子がよくわかる。

2022/01/09

takka@ゲーム×読書

『稲生物語録』という作品はこの本がきっかけで初めて知ったが、京極夏彦や水木しげるにも影響を与えている作品らしい。備後国三次(現広島県三次)を舞台に、当時16歳の武家の子息、稲生平太郎が主人公。平太郎は禁忌を破り祟りに遭うという(この前日譚は絵では残っていない)。ただどんな怪異が驚かそうとしても平然としている平太郎の前に魔王「山本五郎左衛門」が現れ、手下を連れて別のところへ行くという話。正直平太郎の肝が座りすぎていて、「感情あるのか?」と思ってしまうほど動じないのがすごい。

2022/06/09

軍縮地球市民shinshin

大塚英志の「研究」業績は僕は評価しないが、この絵巻物のまんが訳は大いに評価したい。第2作は有名な「稲生物怪録」の写本の一種「稲生家妖怪傳巻物」のまんが訳。前半部が欠落した写本らしく、頭からミミズを垂れ流す変な妖怪は登場していない。最後の山本五郎左衛門から木槌ももらっていないので、早期の写本は木槌のエピソードはなかったのか。主人公の稲生平太郎は現在の広島県三次出身で、安芸広島藩に実在した武士らしいが、江戸時代の「怪談実話」といえるだろう。

2021/10/11

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