源氏物語論 (ちくま学芸文庫 よ 1-1)
源氏物語論 (ちくま学芸文庫 よ 1-1) / 感想・レビュー
かふ
『源氏物語』の解説本というよりも吉本隆明が『源氏物語』を通して文学をどう読むのかという本であり、あとがきに古典の学者に細かいところを突かれていたが、原典主義者でもなく、『源氏物語』を勧めるのなら手に入り安い与謝野晶子源氏が誤訳もあるがいいという。それは与謝野源氏が彼女の『源氏物語』を構築出来ているからだと思うのだ。例えばウェイリー版でも橋本治版でも『源氏物語』は文学として楽しめる。それは彼らの中に『源氏物語』という文学世界(空間)が構築出来ているからだ。それで吉本源氏はどんな世界だろうとかというと、
2024/04/20
ダージリン
最近谷崎訳で源氏物語を読んだところで、興味深く読んだ。薫について多く割かれていたが、吉本氏が書いているように薫の何とも言えぬ報われなさや幸せになれない感じは読みながら強く印象に残ったところであった。吉本氏は与謝野晶子訳を推奨していたが、少し読んでみようかと思う。受けた印象は谷崎訳であるが故の部分もきっとあるのだろう。
2015/05/09
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