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思想としての60年代 (ちくま学芸文庫 サ 2-1)

思想としての60年代 (ちくま学芸文庫 サ 2-1)

思想としての60年代 (ちくま学芸文庫 サ 2-1)

作家
桜井哲夫
出版社
筑摩書房
発売日
1993-02-01
ISBN
9784480080363
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思想としての60年代 (ちくま学芸文庫 サ 2-1) / 感想・レビュー

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harass

吉本隆明批判の文があると知り取り寄せる。著者が体験した60年代のことを80年代に追想するエッセイ集。講談社のPR誌に連載されたものらしい。予想外の内容が多くいろいろ唸ってしまう。ポール・ニザン、大島渚、高橋和巳、丸山真男、日本SF、フォーク・クルセダーズ、ウッドストック、「甘えの構造」の土居健郎との論争など。現在の問題の萌芽はこの60年台にすでに準備されていたと著者。個人的な体験を別の世代の人に理解させようとする試みとして。『引用のモザイクによってあの時代のイメージを一瞬のうちにひらめかせてみたい』良書。

2018/11/09

Nさん

1993年文庫化(初出は1988年)。「60年代」は何かと意味を持つ年代のように思える。高度成長や東京五輪という「進歩」を見せる一方で、安保・全共闘、パリ五月革命・ヒッピー文化など、「反体制」的な出来事が頻発した時代でもある。本書は、60年代を青春時代として過ごした著者(社会学者)の青春を断片的に追体験できるエッセイ集だ。東京五輪、日本SF、野球漫画、フォークル、ヒッピー、パリ五月革命、文革など、硬軟織り交ぜた構成に。吉本隆明『共同幻想論』への疑義や土居健郎『甘えの構造』への批判、活発な論争が面白い。

2024/04/23

シュミットさん

もともとは講談社発行の『本』の連載コラムをまとめたもの。学芸文庫に収められるにあたって、いくつか興味深い論考が収録された(「土居健郎氏との論争について」など)。さて、著者あとがきによると本書刊行時、「60年代のどろどろとしたものがない」などの批判があったという。たしかに60年代の思想というか知的なものの営みはこんなものじゃなかったのかもしれない。しかし、だからといって60年の「どろどろ」を知るすべは僕らに残されているか?

2009/09/17

よこづな

「宇宙はあらゆる種類と段階の放射性物質と、物質構成の素粒子である放射線とに充ちている。半衰期がどんなに長かろうと短かろうと、放射性物質の宇宙廃棄(還元)は、原理的にはまったく自在なのだ。」かく宣う吉本隆明先生への批判を含む。

2009/04/06

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