初期歌謡論 (ちくま学芸文庫 ヨ 1-2)
初期歌謡論 (ちくま学芸文庫 ヨ 1-2) / 感想・レビュー
しゅん
ここでの「初期歌謡」とは『古事記』『日本書紀』から『万葉集』、そこから『古今集』へと至る誕生期の和歌のこと。「うた」がどのように発生したかを追う書物である。自然描写が、どうして/どうやって生まれたのか(心を表すために自然が必要なのか、自然を表しているうちに感情表現が重なったのか)など、現在の人間につながる問いを発しているところが吉本らしさか。〈あわれ〉や〈かなしみ〉に満ちた自然観というのは嵯峨上皇統治期に特有のもので、「日本的」でもなんでもないという指摘は面白い。
2024/03/01
よしひろ
吉本隆明は理系的なアプローチで文学を解き明かしていく。精緻な仕事をする人だと思った。
2016/04/23
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