森鴎外 (ちくま学芸文庫 イ 8-1)
森鴎外 (ちくま学芸文庫 イ 8-1) / 感想・レビュー
うえ
率直すぎる鴎外論だ。「鴎外はときに文学上の論争を試みている。自分の位置はそっとしておいて、主張が希薄なところに豊富な言説を立てるのだから、仕事が啓蒙になる。…鴎外は批評に対して絶えず武装している。ゴシップの末までも取り上げて、これを反撃することを辞さない。自分の姿態をおかしく見せるおそれのあるすべての攻勢を、平気で打ち捨ててはおけなかった…批判を身にこうむることを好まなかったのであろう。批判の鞭に堪えないでこれをきらったのではない。自分がおかしく見られたりバカに見られたりすることを極力きらったのであろう」
2021/08/09
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