機械の中の幽霊 (ちくま学芸文庫 ケ 1-1)
機械の中の幽霊 (ちくま学芸文庫 ケ 1-1) / 感想・レビュー
absinthe
様々な現象をホロンという概念で統一的に説明する。発想としてはもしろいいし、思想としてはそれはそうだとも思う反面、だから何?という印象も受ける。定性的に現象を納得したいだけであればこのような理論も助けにはなるのかもしれないが、定量的に未来を予測したり分析するのに役に立つ概念ではない。脳の構造はこれだけで説明するには無理がある。何事もこのように単純に理解していいものでは無いだろう。当時の科学のいろいろな蘊蓄は興味深くて面白かった。
ヴェルナーの日記
1960年代に出版された本作で、著者ケストラーが提唱するホロン(階層性)という理念は、現在自分たちが日常で使っているパソコンのシステムの概念と完全に一致して、時代を先取った凄いことだが、著者はさらに進め、人間を含めた凡ての動植物、社会構成、宇宙の成り立ちまで及んでおり、壮大という一言に尽きる。 ただ、このままの状態で人間におけるホロン的な進化の最終形態は袋小路であり、種的な絶滅を警鐘しおり、これを回避するには生物的操作(遺伝子操作・薬物投与など)人工的な処置が必要とする考え方には同意できない。
2012/12/28
厩火事
やっぱり難しい。でも言いたいことはなんとなくわかったかも。結構きっちり章立てしてくれているので、興味が薄い分野は章の最後にある要約だけ読むという手もある。
2019/01/13
しゅるとけすなーも
攻殻機動隊で知って読みましたが、ガチの研究書ですね...。 先生の提唱する「ホロン」ってのは一部でもあり全部でもあるっていう考え方。ハガレンの「一は全 全は一」みたいなものと解釈。 ってことは肉体も精神も一人の人間の一部でもあり全部でもあるよ、だから二元論ではないよ、ってことなんでしょうか。 半分くらいはちゃんと読むよう努めたけど、だんだんパラパラ見するように…(笑) 第二部14章「機械の中の幽霊」は比較的ちゃんと読んだけど理解できたかは怪しいです(^_^;) これネタバレとかある?(笑)
2021/04/23
agripenguin
攻殻機動隊にて言及されていたため読んだ。 著者の意見は終始一貫し、すなわちホロンの一言に集約される。ホロンを考案しその考え方の元にあらゆる現象を説明しようと試みるものである。 はっきりと言ってしまえば単調である。しかしホロンという考え方を導入するとしたら必要な冗長さと言えるかもしれない。 この本を読むにあたって、広く浅い分野の科学の知識及び科学観の変遷の知識があった方がわかりやすく思う。 ただやはり結論としての薬物投与がいただけない。その点でもそこまで名著として名が知られていないことが納得できるといえよう
2019/03/20
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