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異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫)

異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫)

異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫)

作家
小松和彦
出版社
筑摩書房
発売日
1995-06-07
ISBN
9784480082183
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異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

民俗学、文化人類学は大学の頃の授業で心惹かれて以来好きなジャンルのひとつ。本書は民族社会のコミュニティ外の存在であった「異人」について述べている。 テーマは大変興味深く内容は面白かったが、いかんせん30年以上前の本なので読みづらかった... 民俗学者にとって、柳田國男、折口信夫の二大巨頭の存在は大きすぎて大変なんだろうなぁ。 以下コメントは自分の興味のある箇所要約。自分用メモで長いので、読まなくて大丈夫です♪

2018/07/28

夜間飛行

読んでいて八墓村を思い浮かべた。現実の異常性と伝承される怪異の間にあって、金田一耕助も我々も真相を探し求める宿命を負うのかと。座頭・山伏・巫女など村の周縁にいる人々を異人という。異人殺しの伝説を《民俗社会内部の矛盾の辻褄合わせ》と解く発想には既視感があるけれど、異人の伝承形である山姥を、魔女⇔慈母という両義的存在と捉え、そこに《自然》を所有し《絶対の裂け目》となって男を脅かす女性(山口昌男によれば文化の内部にいる他者)を発見する考察、また、折口のマレビト論から表題の異人論へと架橋する蓑笠の話は面白かった。

2017/12/02

venturingbeyond

学芸文庫版が出てから、四半世紀以上も経ってるのか(M1の年に出てるので、当たり前といえば当たり前だが)。掲載されている各小論の初出は82~85年とあるので、著者が30代後半に執筆したもの。民俗学の枠組みを中心に据えながら、構造主義人類学のフレームで日本のフォークロアを再考するという、80年代の空気が感じられる論考がまとめられている。個人的に最も興味深かったのは、最後の『妖怪と異人』。解説に中沢新一の名もあるが、本書でも論及されている網野中世史と重ねて読むと、一層滋味深いものに。

2023/12/18

ちえ

2018年末に読み終えていたのに登録忘れていた。(~_~;)この本に含まれているすべての論考が理解できたわけではないけれど「異人」とは何かや、昔から伝えられてきた(そして子供のころからお話や絵本で親しんできた)民話や昔話に「異人」「異人殺し」と繋がっている話が沢山ある。語り手がどこに属しているかで話が変化して伝えられている。面白いなあ、と思うことが沢山。本書の読了後に読んできた本の中で(これは異人の話なんだ)と気が付かされたものがいくつもあって、自分が読書からもらえるものが少し増えた気がしてうれしい。

2018/12/31

とまと

共同体の外部から訪れる異人が、フォークロアの中でどのように語られるのか見ていく論集。「異人殺し」のフォークロアは、「異人」に対する潜在的な民俗社会の人びとの恐怖心と“排除”の思想によって支えられている、そして「異人」は社会のシステムを運営していくために“暴力”と“排除”の犠牲にされている、とする。「妖怪と異人」の項では、妖怪という異常性の背後に、「異人」集団もしくは異なった職業集団が見え隠れするとしている。

2013/08/21

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