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漫画原論 (ちくま学芸文庫 ヨ 6-1)

漫画原論 (ちくま学芸文庫 ヨ 6-1)

漫画原論 (ちくま学芸文庫 ヨ 6-1)

作家
四方田犬彦
出版社
筑摩書房
発売日
1999-04-01
ISBN
9784480084781
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漫画原論 (ちくま学芸文庫 ヨ 6-1) / 感想・レビュー

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こうすけ

なぜ、大人から子どもまで、ぼくらはすらすらと漫画を読めるのか?漫画にしか通用しないコードやお約束をことごとく取り上げ、歴史的に分析・批評してゆく。あ、たしかに!と思う快感に満ちた漫画批評。手塚治虫の文体の話が特によかった。文化を生み出すのはひとりの天才だ。

2024/09/03

サイバーパンツ

文学的にどうとか、歴史的文脈から見てどうとか、そういうのは一旦置いといて、ひたすら文体で読む漫画表現論の先駆的名著。漫画は様々な制度によって構成されているが、私たちは普段、そんなこと気にもせず、スラスラと読んでしまっている。本書は、その無意識に理解してしまう漫画の制度を、記号論の手法を用いて読み解いていく。普遍的な漫画の記号を体系的に分析しているので、レポートや卒論はもちろん、普段漫画を読むときにも、かなり実践的に使えると思う。単純に面白いだけでなく、応用が利くという意味でも、素晴らしい一冊。

2016/10/04

k5

四方田犬彦の本で一番面白かったです。とくにサンプリングのセンスが絶妙。画面、運動、フキダシ、オノマトペから登場人物の顔まで、語るときに引用する作品と場面が抜群の説得力で、語られることがどんどん消化される感覚が快感だった。第二部になり、突然語り口が微妙になりますが、この本は推せます。

2020/01/10

三柴ゆよし

思想とかなんとか小難しい話はよして、とりあえず「文体論」でいくわって感じのアマチュアなノリが好ましい。本文庫にしては肩の力の抜けた本だと思う。別に目新しいことはなにひとつ言ってないんだけど、漫画表現の「お約束」を再確認するには最適だろう。いくつか事実誤認が目についたのはマイナス点。白戸三平「妙活」のモデルは、「恵心僧都の話」じゃなくて「果心居士のはなし」ですな。些細なことですけど。

2010/11/14

Mark.jr

漫画を社会的背景と結び付けて批評するのではなく、またそれぞれ作家個人を論じるのでもなく、漫画を構成する個々の要素(コマ、吹き出し、背景、人物の顔etc...)を解体・解析する、まさに"原"論と言うべき本になっています。内容は著者自身が自分の本の中で一番独創性がないと言っていますが、裏返せば時間の経過に耐える普遍性と実用性を持っていますし、またここまで明快に書いてある本もそうないと思っています。

2023/02/26

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