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シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫 イ 24-1)

シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫 イ 24-1)

シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫 イ 24-1)

作家
巖谷國士
出版社
筑摩書房
発売日
2002-03-06
ISBN
9784480086785
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シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫 イ 24-1) / 感想・レビュー

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青蓮

「シュルレアリスムとは何か」「メルヘンとは何か」「ユートピアとは何か」をテーマに語られた本。超現実=シュルレアリスムと言うと「何か現実から離れた幻想的なもの」と解釈しがちだがそれは間違いであると指摘する。現実を超越するのではなく「極度に強められた現実」と言う今ある現実に内在されるものである。著者曰く「主観にもとづいて幻想を展開するのではなく、むしろ、客観が人間におとずれる瞬間をとられるのがシュルレアリスムの文学や芸術のありかた」だと言う。シュルレアリスムにいつてかなり勉強になった。他の著書も読んでみたい。

2016/04/04

藤月はな(灯れ松明の火)

美術に焦点を絞っているのかなと思いきや、お伽噺の不条理性、ユートピア/ディストピア小説に見受けられる共通点などの考察があったりして意外な掘り出し物でした^^特にシュールレアリスムから見た「ユートピアに近づこうとすればするほど、ディストピアに近づき、無個性になっていく」や「真の男女平等とは乱交状態である」というユートピア論は面白かったです。

2014/12/06

yn1951jp

シュルレアリスム、メルヘン、ユートピアの発生から歴史的展開を丁寧に紹介し、誤った理解を解き、通底する概念をあぶりだす。自動記述、コラージュ、デペイズマンなどによって現実に内在する「超現実」を露呈させようとしたシュルレアリスムは、社会的な視野をもった政治的で戦闘的な運動でもあった。メルヘンが描く日常の現実に潜在している「ファンタスティック」「フェーリック」な世界。ユートピア思想が照らし出す迷路としての世界。豊富な出典が、現実と連続した別の場所にある「生」を求める「日々の魔術」の旅へと読者を導いてくれます。

2015/05/24

そふぃあ

ブルトン『〜宣言・溶ける魚』の予習で読んだがかなり面白かった。講義を書き起こしたものだから頭に内容が入って来やすいのも良い。”連続する別の世界がある”という発想は、今はまだぼんやりとして掴みどころがなく感じるが、遠くない未来にはっきりと身を結び、その時初めてシュルレアリスムという思想は完成するのかもしれない。また日本で「シュール」や「メルヘンチック」と呼ばれているものが本来の意味からいかにズレているかがはっきりと書かれていたり、日本がまさにユートピア化しているという指摘が的を射ていてゾッとした。

2022/01/24

三柴ゆよし

「シュール」も「シュール・レアリスム」も大間違いで、いわんや「シュール・レアリズム」においてはもってのほかであることがよくわかる本です。ブルトン先生の『シュルレアリスム宣言』はやはり恰好いいもので、かつての僕はこれを真似して自動書記ごっこまでしていたくらいだから、人生のある時期をそれなりにシュルレアリスムの影響のもとで送っていたはずなのだけど、本書には蒙を開かれることが多かった。特に「エクリチュール・オートマティック(自動筆記)」の速度を次第に上げていくとどうなるのかというくだりを興味深く読んだ。

2014/04/27

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