対論脳と生命 (ちくま学芸文庫 ヨ 5-3)
対論脳と生命 (ちくま学芸文庫 ヨ 5-3) / 感想・レビュー
またの名
唯脳論の科学者と生命論の哲学者とが対談するけど、自分が詳しくない医療分野のかつ面白くて鋭い知性により吟味された話を投げてくる養老氏が印象強め。自然状態の猿がしないような行動をさせて得たニューロン研究の結果にいとも容易くその欠陥を指摘し、応じる森岡氏が理解に努めるのを一緒に追体験するなどといった状態がしばしば起きる読書。コレラ菌からオカルト擁護へ飛躍する辺りの時代感はどうしようもなく95年直前とはいえ、科学技術と倫理、文明、バーチャル電脳化義体化する未来などについての議論がもう古びたという感想にはならない。
2021/10/26
ほたぴょん
一時期、養老先生の本はけっこう読んでいた。それが読まなくなったのはいつからかというと、やっぱり『バカの壁』が大ヒットしてからだなあ。したがって、自分にとっては『バカの壁』の著者というよりは『唯脳論』の著者と言った方が据わりがいい。で、本書はその養老先生と、脳死問題などの生命倫理に積極的に関わっている哲学者の森岡先生との対談。必然的に話は医学と倫理との関わりという方面が多い。脳死者からの生体臓器移植とかは、「人間」をどう定義するかというイデオローグと関わっていて、漠然と思っていたよりも問題が深いんだなあ。
2012/09/11
姉勤
1994年、約20年前の対論。テーマも人権、死、ヒューマニズムと社会に付随する問題など。ここに上がっている問題は、ここ20年で解決も解消もした訳で無く、むしろ大きく厄介になっていると感じる。それもそのはず、人間社会は脳が作っていくもので、世界が「脳化」していけば、当然自然との乖離がすすむのは当然だろか。ひとが使うネットワークの指数的拡大やIPS細胞など医療のテクノロジーの飛躍により、仮想現実から拡張現実へ世の中移り変わりもするが、人間のハードウエアとカルマというOSは依然そのまま。今後の20年でどうなる?
2013/05/19
shiaruvy
コメント予定
bossa19
話全般にまとまりがなくて何を話しているかわかりにくい。部分部分では共感できたりできなかったり。数年後にもう一度読んだらどんな感想持つだろう。
2004/02/11
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