見るということ (ちくま学芸文庫)
見るということ (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー
ほじゅどー
★★★写真は記憶とは違う。写真はうわべの姿。私たちはそこに真実を求めようとするが、そのこと自体が本来の意味から遠ざかる。写真それ自体は何も語らない。写真は一瞬の外観を留めるに過ぎない。しかし一瞬を留めることの衝撃。フイルムが10年もつとするとフイルムの保存期間と露光時間の対比は約200億:1。記憶はある贖罪の行為を暗示する。光景は一瞬の期待を永遠の現在に変える。記憶の必然性は失われる。記憶がなくなると意味の連続性も失われる。カメラは皮肉な神。より良い未来を導くための新しい写真の使い方とは。
2017/06/19
あなた
ジョン・バージャーはおもしろい。寡作だが、もっともっと本を書いてほしかった。けっきょく、生きるってことは、〈みる〉ってことだ。〈みる〉ことで、ひとはいきていく。権力も、セクシュアリティも、ジェンダーも、欲望も、力への意志もすべては〈みる〉ことへ収斂していく。とくに本書では動物園論が秀逸。ついでに『メディアとしての動物園』も読もう
2010/09/16
kentaro mori
⚫︎何かを思い出すときには色々な働きかけが絡まってくる。思い出された事が終着点なのではない。多くの働きかけや刺激がそこに収束し、そこへと導いていく。さまざまな言葉、比較、記号が、写真の文脈を創り出すのに必要である。多様な働きかけに注意を払い、道を開く必要がある。革新的なシステムが写真のために創られなければならない。それは、私的であると同時に政治的であり、経済的であり、ドラマティックであり、日常であると同時に歴史的でもあるだろう。
2024/05/22
たこやき
知ってる画家のとこだけ読みました。ロダンが絶倫だとかジョルジュ・ド・ラ・トゥールが割と悪代官だったとか俗っぽい内容もあって最近読書運ないなぁと思ったものの、ベーコンとDisneyの比較が面白い。疎外感という事態を感傷的に描くか絶望的に描くのか。
2015/07/30
ゆとにー
長いこと積読の状態で気になってたけど、後半は言ってる事の意味が分からんのも多くて、はあ読書メーターのための読書になってるなとため息付きながら読んだ。
2015/03/02
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